宴の始末２ ページ46
「Ｑの異能を受けて皆さんに酷い事を……。自分の力の危うさを判っていればあんな事には」
敦君は頭を下げたまま謝罪を続ける。
謝罪された二人は暫し顔を見合わせた。
「ああ！ あの時の！」
「忘れてたんですか！？」
意外な返答に、敦君は素っ頓狂な声を上げた。
「あの時はショックでしたけど……」
「
気丈な二人の言葉に、敦君は力が抜けたのか床に手を着いた。
それを少しばかり心配そうに二人は見る。
「気を付けます……本当にどうかしてました。お二人を異能で殴るなんて」
そう云う敦君の肩に手が置かれる。
「敦くゥん？ 今の話、初耳なンだけど？」
谷崎さんの声に、敦君から表情が消えた。敦君は油の足りない機械のように後ろを振り向く。谷崎さんから立ち上る黒いオーラは、目を凝らさなくても見えるようだった。
今にも何処か別室に引き摺りこまれそうになっている敦君の前に、
「待って！」
Ｑちゃんが割り込むように入る。
「Ｑ……！？」
敦君は目を瞠いた。敦君の目には僅かに恐怖の色が滲んでいた。
「違うの、ぼくが悪いの。ぼくが詛ったから……」
私はその様子を固唾を飲んで見守る。
「御免なさい！」
Ｑちゃんは勢い良く頭を下げた。
突然の謝罪に、谷崎さんは手を敦君の肩から離した。
敦君は何かを消すように頭を数度降った。
「で、でも……君も、あの時は……マフィアの仕事、で」
「確かに森さんからの仕事だったよ。でも、ぼくがおにいさんを沢山傷付けたのは間違いないし、人を傷付ける事はいけない事だから。御免なさい！ それと、ぼくの人形を太宰さんに届けてくれて有り難う」
「A」
「あ、織田作さん」
私がＱちゃんの様子を見守っていると、背後から声を掛けられた。
「楽しんでいるか？」
「ええ。でも本当に此処に居て良いのでしょうか」
「当然だ。お前には何度も助けられたからな。Aを探偵社に、と望む声は大きい」
織田作さんは私のコップにサイダーを注いでくれた。私は礼を云ってまた一口飲む。
「それに、探偵社なら与謝野女医もいる。太宰はそれだけで安心するだろうな」
「……善処します」
織田作さんは私を見てふっと表情を緩める。
そして一冊の本を手渡してきた。
「Aには先に渡しておきたかった」
「此れって……」
――織田作がね、小説を書き始めたのだよ。
――でも、探偵社に勤めながら小説を書いている社員はいるよ。
作者名は『織田作之助』だった。
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夢秋(プロフ) - 百笑咲夜さん» お恥ずかしながらその事実を全く知りませんでした。二次創作自体グレーなものですので、今後お気をつけて楽しい創作ライフを送ってください！ (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
百笑咲夜 - 初コメ失礼致します。プリ小説というアプリで活動していた者です。感想じゃなくてすみません。主様の作品とほとんど同じ内容の小説をプリ小説で書いていました。すぐに小説は削除します。大変申し訳ございませんでした。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: f1d74042d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - ユキさん» 応援ありがとうございます！ クトゥルフのSANチェックがアレですからね……そして夢主ちゃん、元々勝手に姉を名乗っています。どこかの十人兄弟の長兄のようになってますw (2021年8月19日 21時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです！SAN値チェックがあったの笑いました。「どけ！！！！私はQちゃんのお姉ちゃんだぞ！！！」が好きですｗｗｗ１D１０/１D１００には驚きました。ラヴ君、恐るべし・・・。頑張って下さい！最新待ってます！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます！！ やったー！！ 頑張ります！ (2021年8月13日 2時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年8月7日 20時
