頭は間違うことがあっても ページ11
「太宰さん！」
「君の魂が勝った。これで街は大丈夫だよ」
太宰さんはしゃがみ込んで人形を拾い上げる。嗤い声を上げ続けていた人形は砂のように消えた。敦君は織田作さんに抱えられ、太宰さんと共に日本大通り駅に向かって行った。私は力が抜けて座り込んだ。
*
「如何して此処が……？」
僕は織田さん――太宰さんの旧友だそうだ――に抱えられながら聞いた。
「敦君が降ってくる方角をずっと探して居たからね」
太宰さんは策を三百も持っていたり、今回もここまで見通していたり、本当に凄い人なのだと思わされる。
「降ろすぞ」
織田さんにそっと降ろされて僕は階段に座った。
「すみません。助かりました」
「いや、助かったのは此方だ」
織田さんの言葉に肯定の意を示すように頷いた。
「善くやったよ敦君。これでもう横浜は安全だ……と云えれば善かったのだけど」
太宰さんは溜息を吐いた。
「何か未だ……問題が？」
「Ｑが敵の手にある限り、連中は何度でもこの大破壊を起こせる。唯一対抗可能な協力者である異能特務課も活動凍結された。これ以上は……」
太宰さんは表情を曇らせた。
――『やあ虎くん、おつかい頼まれてくれない？』
僕は自分の手元を見る。Aさんから渡されたカプセルだ。中には小さく折り畳まれた紙と、USBメモリが入っていた。紙を開けば手描きの簡素な地図があった。
あの時、Aさんは僕を「虎くん」と呼んだ。普段僕を「敦君」と呼ぶ彼女が。きっと、マフィアの一人として僕に託してくれたんだ。
「……太宰さん」
太宰さんが振り向く。
「昔読んだ古い
太宰さんは静かに聞いていた。
「それに、こうもありました。『頭は間違うことがあっても、血は間違わない』――空の上で僕はある
擦り切れた自分の手を見る。
「僕の血と魂が示す唯一の正解に思えてならないんです」
「どんな
「
僕はカプセルの中身を手渡した。
「その組織の名は」
太宰さんは地図を畳んで、USBと共に懐にしまった。僕の言葉を待っている。
「ポートマフィアです」
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夢秋(プロフ) - 百笑咲夜さん» お恥ずかしながらその事実を全く知りませんでした。二次創作自体グレーなものですので、今後お気をつけて楽しい創作ライフを送ってください！ (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
百笑咲夜 - 初コメ失礼致します。プリ小説というアプリで活動していた者です。感想じゃなくてすみません。主様の作品とほとんど同じ内容の小説をプリ小説で書いていました。すぐに小説は削除します。大変申し訳ございませんでした。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: f1d74042d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - ユキさん» 応援ありがとうございます！ クトゥルフのSANチェックがアレですからね……そして夢主ちゃん、元々勝手に姉を名乗っています。どこかの十人兄弟の長兄のようになってますw (2021年8月19日 21時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです！SAN値チェックがあったの笑いました。「どけ！！！！私はQちゃんのお姉ちゃんだぞ！！！」が好きですｗｗｗ１D１０/１D１００には驚きました。ラヴ君、恐るべし・・・。頑張って下さい！最新待ってます！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます！！ やったー！！ 頑張ります！ (2021年8月13日 2時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年8月7日 20時
