凶夢 ページ2
「風が気持ちいい！！ ぼく、こんな綺麗な景色初めて見た！」
蒸気機関式の旅客列車の窓を開けて外を見れば、都会の横浜では見る事の出来ない景色が広がっていた。
「この温泉、汽車が見えるって！ 此処にする？」
鐵道会社のホームページを見せながら訊くと、Ｑちゃんは大きく頷いた。自由行動の許可は取ったから堂々とＱちゃんと観光出来る。明らかに三社戦争の最中にやることでは無いが、Ｑちゃんの外出許可は貴重だ。Ｑちゃんの監視を口実に、好き勝手出来るのは過去の私が頑張っていたからだ。有難う、過去の私。
その時、客車の一番後ろから女性の二人組が入って来るのが見えた。
「Ｑちゃん、あの二人が探偵社の事務員さん」
小声で云うと、Ｑちゃんは立ち上がる。
「Aちゃんは顔が割れてるでしょ？ ぼくが二人とお喋りしてくるね」
Ｑちゃんは風で乱れたマフラーを巻き直した。マフラーには小型マイクが付いている。音が拾える事を確認する。
ここはＱちゃんに任せて、私は会話を別車両で聴こう。
「判った。私は隣の車両から降りるね」
Ｑちゃんは小さく頷いて春野さんとナオミちゃんに接触を図りに動き出した。私も隣接車両に移動して、イヤホンから聞こえる音に集中した。
『これで当面は安全ですわ』
ナオミちゃんの声だ。そして布が擦れる音がノイズとして聞こえた。
『きゃ、ご免なさい、立ち止まっちゃって』
恐らく春野さんだろうか、聞き慣れない声だった。
『……“ご免なさい”？ こちらこそご免なさい。お怪我は？』
流石Ｑちゃん、他人を気遣えるなんてなんて出来た子なんだ！(姉バカ)
三人は同じ
そして降車駅に着いた。私は隣接車両の一番前の扉からそっと降りる。Ｑちゃん達の方を見れば、敦君が事務員二人組を迎えていた。イヤホンとその場の両方から会話が聞こえる。
「春野さん、ナオミさん！ ご無事でしたか！」
「ええ……でも真逆事務員が狙われるなんて」
俯くナオミちゃんに、敦君は自身の胸を叩きながら云う。
「安心して下さい、僕達が避難地点まで護衛しますから」
軽い雑談の後、
「そうだ、紹介しますわ。列車の中で知り合ったのですけど……」
Ｑちゃんは降車でバランスを崩したのを装い、
「おっと」
敦君にぶつかった。
凶夢が始まる。
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夢秋(プロフ) - 百笑咲夜さん» お恥ずかしながらその事実を全く知りませんでした。二次創作自体グレーなものですので、今後お気をつけて楽しい創作ライフを送ってください！ (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
百笑咲夜 - 初コメ失礼致します。プリ小説というアプリで活動していた者です。感想じゃなくてすみません。主様の作品とほとんど同じ内容の小説をプリ小説で書いていました。すぐに小説は削除します。大変申し訳ございませんでした。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: f1d74042d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - ユキさん» 応援ありがとうございます！ クトゥルフのSANチェックがアレですからね……そして夢主ちゃん、元々勝手に姉を名乗っています。どこかの十人兄弟の長兄のようになってますw (2021年8月19日 21時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです！SAN値チェックがあったの笑いました。「どけ！！！！私はQちゃんのお姉ちゃんだぞ！！！」が好きですｗｗｗ１D１０/１D１００には驚きました。ラヴ君、恐るべし・・・。頑張って下さい！最新待ってます！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます！！ やったー！！ 頑張ります！ (2021年8月13日 2時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年8月7日 20時
