それはまるでくすりのようで ページ7
私の任務、それはポートマフィア座敷牢の監視だった。そう、その座敷牢はQちゃんの座敷牢だ。
私がQちゃんのことが好きだから回ってきたという任務ではない。
もし敵対組織によって座敷牢が破壊されたらどうなるか。マフィアの座敷牢に囚われている者が大人しくそのままでいるだろうか?
マフィアに恨みをもつ者が入っているはずの座敷牢の住人が大人しくしているだろうか?
普通に考えたらそんなことは無いと思うだろう。それはマフィアでも同じだ。
今は大人しくしているQちゃんでも、未だに座敷牢に囚われたままであるということは、マフィアがQちゃんを相変わらず危険視している最大の証拠。
座敷牢の住人が暴れない為にも、マフィアの実力者がこの任務を行うことは大変重要な事なのだ。
それに私がこれを任命された理由はもうひとつある。それは、私の体質が故だ。
私は、どういう訳かQちゃんの異能力『ドグラ・マグラ』が
だが、正気の状態でQちゃんに触れ、この手でQちゃんを抱きしめたのは事実だし、Qちゃん自身もよく覚えている。
却説、Qちゃんの居る座敷牢への入口に着いたようだ。
また、誕生日の時のような微かなあまい香りが漂ってきた。
ここでふと、違和感が足下に転がっていた。私はその違和感の正体を拾ってみた。うっすらと桃色に染まった花が落ちていた。
私は何故花がこんなにこの世の鬱という鬱を集めたような、どんよりとした空気の中にポツリと落ちているんだろう。
そんな違和感だけが薄い桃色に凝縮されていた。
……ちゃんと任務を遂行しなくては。
私はぐるぐる回っている頭の中を無理矢理切り替え、座敷牢へと続く重い扉を開けた。
微かだったあまい香りは進むごとにふわりふわりと強くなり、どんどん鼻から脳へと伝わっていく。
さっきの扉の前とは別世界のような、この世のしあわせを詰め込んだような……。
嗚呼、またQちゃんとクレープでも食べたいなあ。
ふたりで今度はピクニックにでも行こうか。
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ゆめのあき(プロフ) - 舞冬さん» 有難うございます! 滅茶苦茶悩みながら書いていたところでもあるので嬉しいです! (2021年8月16日 23時) (レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
舞冬(プロフ) - 凄いと思いました!神作品をありがとうございます!長文失礼しました。 (2021年8月16日 16時) (レス) id: 42ce09732f (このIDを非表示/違反報告)
舞冬(プロフ) - さんこいち+夢主のバーでの会話、人物の動き、ジイドとの戦闘を織田作と夢主と相手を変えて太宰さんを武装探偵社に入れて織田作も救済…展開を作るのがとてもお上手で本当に尊敬します!!どこもかしこも読みやすくて心情や関係の変化も分かりやすく描かれていて本当に (2021年8月16日 16時) (レス) id: 42ce09732f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 瑠衣さん» ありがとうございます! ネタはどんどん散りばめたくなります。シリアスブレイク大好き人間なのでw (2021年6月22日 0時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - オンデュル語…… 知っている人がいたとは。色々なネタがあってシリアスなところでも読みやすくて好きです!更新楽しみにしてます!! (2021年6月14日 11時) (レス) id: 26b905e4a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢野秋 | 作成日時:2019年4月4日 22時