八十五話という名の【渋谷事変】 ページ37
その瞬間、トイレの中は水浸しになる。
最初は水に驚いていた呪霊だったが、さほど気にせず攻撃を仕掛けようとしたその時。
脹相「な……！【百斂】が解けた！？｣
そう、私達が狙っていたのはこれ。
赤血操術は術式効果を上げるため常時、血液の凝固反応をオフにしている。
その為、相手の呪霊の血液は他の者よりも水に溶けやすい。
加えて、水に晒された血液の中では浸透圧により赤血球が膨れ細胞膜が破れていく。
血液の約45%を占める血球成分が支配出来なくなり、【百斂】が解かれたという訳だ。
『これで奴は体外での血液操作が不可能となった』
悠仁「成程な｣
私が見ている限り相手の呪霊は戦闘経験が浅く、自信に何が起こったか理解していない。
……それでいい。
ここからは悠仁と呪霊の攻撃が続き、悠仁が勝てると確信した時、私は相手の右手にまだ塊が残っているのに気が付いた。
このままじゃ間に合わないっ！
『茈赫・影鏈堕黒！！』
私の鎖が呪霊の腕に絡みつくと同時に相手が放った血の塊が悠仁の肝臓を貫いた。
『っ！(よりによって肝臓か……！！)』
鎖に縛り付けてあった呪霊に龍廻で体を切りつけた後悠仁の元へ急ぐ。
すると悠仁は口から血を流しながらも呪力を振り絞っていた。
悠仁「理解した、俺の役割。
伏黒が釘崎がAがナナミンが先輩たちも皆、ここを通って五条先生の所へ行ける様、
死んでもコイツを戦闘不可能にする。
五条先生を助けるのは俺じゃなくていい。｣
これは……自分の死に対する恐怖を呪力へ変え雑念を振り払ったか。
しかし相手の呪霊も悠仁の3発の打撃、そして私の攻撃がだいぶ体に来ている様子だ。
今は何とか悠仁に反転術式で傷を癒しているものの肝臓はダメージがあり過ぎる。
『悠仁、ここは私がやるから休んでて』
そう言い相手の呪霊へ向かおうとすると、腕を掴まれ抱き寄せられる。
悠仁「A、多分俺はもうすぐ死ぬ。
だから最後に伝えたい事があるんだ。
_______________ずっと好きだった。
今までありがとう｣
『……っ！悠仁、これが最後みたいな言い方良くない！私が反転術式で治すからっ！』
私が悠仁の体に手を翳すと、その手を優しく退かされる。
『なんでっ……』
そう聞いても悠仁は困ったように笑うだけだった。
そんな悠仁を無視して呪霊を祓おうとすると隙をつかれて手刀を入れられてしまった。
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くーく812(プロフ) - プスメラさん» 初めまして、コメントありがとうございます！ 今の所、この小説のオチは未定ですが、五条悟オチにしようと考えております (2021年2月2日 17時) (
レス) id: a492753dce (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？お願いいたします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月25日 14時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くーく812 | 作成日時：2020年4月27日 17時
