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「 ……サム!置いてくなって何回言うたら分かんねん! 」


「 お前こそ、何遍言うたら寝坊せずに起きれるん 」




ギャーギャーと喧しい二人を横目で見て、私は息を吐く

冬が明けたばかりの四月の気温はまだ少し低く、吐いた息は薄ら白く色付いた




「 ……もう、朝から喧しいわ 」

「 喧しいてなんやねん!どう考えてもサムが悪いやんな! 」

「 いやツムや アホ 」

「 誰がアホやこのポンコツゥ……」




またジリジリと啀み合う二人

私は先程より大きく息を吐いて、声を出した




「 ・・・どっちもアホやな、しょうもないわ 」

「 なんやとおお!? 」

「 侑、アンタ寝坊助さんのくせにアラームつけんから起きれんのや、対策せえ 」

「 プッ ツムのアホ、怒られてやんの 」

「治、アンタもよ。同じ部屋で寝てるんやし、声かけるくらいはしたってもええと思うよ 」


「「 ・・・うぐぅ 」」




双子曰く、この ¨ 正論パンチ ¨ とやらはかなり痛いらしい

部活の先輩からもよく食らうそうで、最近、その人に似てきたと言われる程だった




「 仲良くて喧嘩するんは構わんけど、私 挟んで喧嘩せんようにな 」

「 仲良うないわ! 」




ぐわッ と食い気味に言った侑を無視して、前を見た


___新学期。

私達は、高校二年生へと進級した




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作者名:mobukuma | 作成日時:2020年6月1日 23時

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