change 〜Another story 8〜

23.Itsuki side ページ23

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何度もごめん、ごめん、と繰り返すAはポロポロと泣き続ける

怒って、と頼む姿は切なくて、苦しくて。


彼氏いないって、嘘ついたって言うけど
Aは俺の仕事ちゃんと理解してくれてるからそうやって言ったんでしょう？

街中で元カレに苛立ってキスしちゃうような俺より
彼女の方がしっかりしてる


けどね、ほんとに良かったって思う

Aと同じ傷を負えた事を。

きっと考えの重たくて怖い男だと思われるだろうけど。


だからそんなに自分を責めなくていいよ

『泣かなくていいよ』

拭っても拭っても流れる涙は枯れる事を知らないんだろう

『忘れよう、ね？』

俺も、Aも。

どれだけ強く抱きしめても震える肩
部屋に響く嗚咽

よしよし、ってずっと頭を撫でて
ごめんね、って背中を優しく叩く

その度にふるふると首を横に振るAは、泣きすぎて目が真っ赤に腫れていた


『腫れすぎじゃない？』
「そんなにやばい…？」
『うん、かなり』

ふふっと小さく笑ったAは、ホテルの部屋にある大きな鏡に自分の顔を見に行った

「うわぁ…めっちゃブス…」
『そう？』

ははっと笑ったAは、あ、と声を上げる

「勢いで入ってきちゃったけどラブホ初めて来た…」

そう言って急に部屋中を見渡し始める

『ねーねー』

そんな彼女に少し遠くから声をかけた

「ん？」

『今日泊まってかない？』

「着替え無いもん」

『同じの着れば？』

「やだよ気持ち悪いじゃん」

『どうせ寝るときは何も身につけないでしょ』

「何考えてんの樹」

『さっきからえろいことしか考えてないけど』

「変態だねぇ」

『どうもありがとう』


やっぱり俺たちは、こうじゃないといけないでしょ？


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