3在り来たりな ページ4
主人公は男子高校生。何時も友人に投げていた消しゴムかすがある日、手元が狂ってある女子生徒に当たってしまう。そこから始まる青春物語。
モチーフは言わずもがな例の男子生徒と、彼が好いている女子生徒だ。
これが、Aの部活動。
彼は文芸部だ。部員数は一人。校則にある【部活動は五人以上】の枠どころか【同好会は二人以上】にすら達していない、故に学校側には認められていないので正確に言えば学校という公的空間を使ったただの趣味………まぁ今彼が部活動に所属しているかどうかは問題で無い。
Aはクラスメイトを主人公にして短い小説を書いているのだ。
その行為にニーズは無い。誰に見せる訳でも、評価される訳でもない。ただ生産し続け、完成した物はゴミの様に床に捨てられる。つまりは、ただの自己満足である。
「…………」
ノルマは大体週に1作。一年の時から続けていたので床はとうに字の埋まった原稿用紙で一杯だ。
{こんなに心躍らない席替えは初めてだった。新しく隣になった女なんかどうでもいい。どうやって彼女の気を引けばいい?どうやって彼女の笑顔を見ればいい?
嗚呼、せめてまだもっと遠くなら、いっそ諦めただろうに。
彼女の席は俺の右斜め2列後ろだった。}
ーーーー壁越しに予鈴が聞こえた。
「……チッ」
乗って来たところだったのに。
万年筆を元の棚に丁寧にしまって席を立った。原稿用紙にしばしのーーー放課後までの別れを告げて、彼は五限の授業へ急ぐ雑踏に紛れる。
ーーーねぇ、聞いた?ーーー
廊下を歩けば大体の確率で出くわす【中原京雅】という名前。隣のクラスに来た転校生の名前らしい。何でも、かなり口も態度も悪いとか。
そこらのヤンキーと大差無いな。
転校生にしては肝が座っているがしかし、
「ーーー在り来たりなキャラクターだ。」
ぽそりと彼は呟いた。
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悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです!リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます!! (2016年10月4日 15時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します! (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が16日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物(代表:幽霊)に苦手意識ある気がしませんか?国木田さんもそうですけど。(社長はその後光で幽霊さん浄化される。(確信)) (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠誠 | 作成日時:2016年6月26日 19時