4話 ページ4
任務後、Aと一緒に蕎麦屋に入る。
11年前、淡い恋心に蓋をしてまで決意した私の信念は
その意中の相手にまんまと打ち砕かれてしまった。
しかもそのおかげで私は生きているらしい。
これからは自分の気持ちに嘘をつかず、蓋もせず、素直にAにも接しようと思った矢先。彼女は消えてしまった。
そして1カ月ほど前、11年前と変わらぬ姿でまたひょっこり現れた彼女。
ずっと引きずっていたこの想いは
再び現れた彼女を前にまた膨れ上がっている。
19年目の人生とはいえ、書類上は16歳。
一回りも違うこの子に自分でもどうかとは思うが、手に入れたいと思ってしまっている。
「すいませーん
ざるそば2つで、一個うどんに変えてもらえますか？
はい、お願いします」
最初に少し攻めすぎた所
前に懸念していた避けられてしまうかも、という素振りを見せられたから、ゆっくり、ね。
「うどんにするんだ？
珍しいね」
「うん
蕎麦嫌いじゃないけど、好きでもないし
というかうどんが好き。」
メニューを戻しながら何の気なしにそう言うAに驚く。初耳だ。
昔、私と蕎麦屋に入った時はいつも蕎麦だった筈だし。
「いつも蕎麦頼んでたじゃないか」
「だってそれ言ったら夏油
気使って蕎麦屋一緒に行ってくれなくなるでしょ」
「そんなこと…」
あの時のお悩み夏油だったら絶対そうだね
と言う彼女に言い返せなくなる。
そんなことまで考えていたのか、…全くこの子は。
未来の話を聞いて、この子が何故私のことにあそこまで気づいてくれてたのかには納得した。
納得したと同時にやはり友情と使命感に動かされていたのかと残念にも思ったけど。
今またこうして目の前にいてくれるんだから、これからどうにでもなるかな、とため息をつく。
若い頃のようなショックはない。
「…これが大人になったってことなのかな」
「うわ、私の前でそれ言うの嫌味じゃん」
マウントか、こら
と全く凄みのない睨みを利かせてくる彼女を鼻で笑うと、また怒られた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 950人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アリア(プロフ) - おとても、好きなお話です。更新楽しみにしています。 (2022年9月13日 7時) (
レス) @page19 id: a6acf319a5 (このIDを非表示/違反報告)
莉乃(プロフ) - すごく面白いです〜！！もう、大好きです❤️♥️❤️ (2022年2月25日 11時) (レス) id: d96deb1772 (このIDを非表示/違反報告)
皐摩(プロフ) - 好き！！！！！！(クソデカボイス) (2022年2月16日 18時) (レス) @page16 id: c69f5fedc2 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - あぁなんて素晴らしき作品♡♡願わくばこのまま幸せにイチャイチャしていて欲しい♡♡続きがとっても気になるけど夏油さん推しとしては幸せになれただけでも良しかなって感じもします！ (2022年2月15日 0時) (レス) @page16 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - もう幸せすぎてニヤけが止まりません！こんな神夏油さん作品を作ってくれてありがとうございます！ (2022年2月15日 0時) (レス) @page4 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬし | 作成日時：2021年8月29日 19時
