21話 ページ21
「それにしても、なんで高専来てくれたの？」
そのお陰で僕のメンタルはだいぶ助かったけど。
Aがここに来る理由は特にないはずだ。
そのはずなのに、
何を当たり前のことを。
とAは笑った。
「仲良くしてよ、って言ったの五条さんでしょ？
一番仲の良いらしい人に
仲良くして、って言われて
私も仲良くしたいと思った。
それだけですよ」
「でも今の君は初対面の人にそんなこと言われた訳でしょ？
もっと用心した方がいいと思うけど」
昔から警戒心が緩い子だ。
もし悪い事をかんがえてた奴がAの体質を知ったら、なんて思うと気が気じゃないし
僕としてはもっと人を疑ってかかってほしい所。
「それは
五条さんを信用したというよりは
一番仲の良い人って書いた先月の自分を信用したんです」
「でも──」
「私はね、月初め
あの文面が私の全てなんです。」
でも、先月の自分が騙されてる可能性だってあるでしょ？
という僕の反論は遮られた。
「私だって疑わないわけじゃない。
脳裏にもちろんよぎりますよ。それを書くまでに至った状況が果たして良いものなのか。
でもね。
自分の名前も、自分の顔も知らない初日に
自分のことを教えてくれるその文面まで疑ったら私は、何を信用すればいいんでしょう？」
切なく笑って見せるA。
再会してからよく見る表情だ。
昔のAでは見なかったその表情をされると、その業を思うと、僕の口から出せる言葉は1つもない。
「それに！
本当に悪い人なら
今の五条さんみたいな心配はしないよ。
私ね、人を見る目には自信があるんです。
記憶喪失で何を、なんて思うかもしれないですけど。
芸術肌ってやつですかね、
直感ってやっぱり大事なんですよ。そして記憶という名の情報より、私は信用できる。
私の直感が、五条さんはいい人だって言ってます。」
今度は得意げに笑って見せるAに
こっちも自然と笑みがこぼれる。
「振られたからって避けないでくださいね
私の、たった一人の友達なんですから」
といたずらに言う彼女に
僕は自信を持って頷いた。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←20話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ameyo(プロフ) - 読んでいて涙がポツポツと。。お体に気をつけて、更新楽しみにしてます(^^) (2021年10月6日 1時) (
レス) @page21 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - プスメラウィッチさん» 一応五条オチのパッピーエンドで考えてます！頑張ります！ (2021年9月20日 8時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ぬしさん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？五条悟と夢主ちゃんはいつ付き合うのですか？続き頑張ってください。応援しています。 (2021年9月15日 21時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - ろさん» やったー！ありがとうございます！ (2021年9月15日 20時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
ろ(プロフ) - 好きです (2021年9月15日 1時) (レス) id: f997d79847 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬし | 作成日時：2021年9月14日 6時
