12話 ページ12
「いつもはマンスリーでも全部広げて本棚に入れてるらしいですけど。
来月の仕事のしわ寄せ多そうだから、面倒なことはやめておけ
って引継ぎ書に書いてあったんで。
先月の自分に従って今は段ボールにしまわれてます。」
なんて言いながら近くの段ボールに今しがた持ってきた日記を入れた。
「見てもいい？」
聞くと、Aは時計を見た。
「いいですけど…
また今度にしません？
日付変わっちゃったら困るし」
時間を見るともうすぐ23時。
日付が変わった瞬間、僕はまた他人に戻るんだ。
そんなのが自分の部屋にいて、日記読んでたら確かに怖い。
大人しく部屋から出る。
僕はそのまま家からも出ようとしたのに、ベッドに潜ったAが布団を持ち上げて僕が入るのを待っていた。
「…さっきと違って積極的だね？」
からかうようにそう言って誘われるままに布団に潜ると、照れて怒ると思ったのに
「なっ！私マグロでした！？」
なんて違う方向に焦るから思わず吹き出した。
「いや、めちゃくちゃ可愛くて良かった。」
「う…」
今度こそ照れるA。
もぞもぞと動いて、抱きついてきて
僕の胸に顔を埋める。
「約束ですよ。
日付が変わったら私と一緒に忘れること。」
「そうだったね、残念だ」
僕の提案は嘘で気休めだと理解はしているんだろうけど、その言葉を聞いて少し安心した様子のA
今まで隠してきた記憶喪失という秘密の共有だけでも、Aの心を軽くする手伝いはできたようでよかった。
「もう一個お願いがあります」
「ん？」
「私が起きる前に、家を出ていってくれませんか？」
ギュッと強く抱き直しながら、Aはそう言った。
「…あなたに、明日の朝『誰？』って言いたくないんです。
知らない人だと思ってあなたに怯えたくない。
…お願い」
先程とは一変、泣きそうなか細い声。
僕は頭を撫でながらわかったと言う。
しばらくそうしてると寝息が聞こえてくる。
Aより先に起きなきゃだしな、と僕も目を閉じた。
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ameyo(プロフ) - 読んでいて涙がポツポツと。。お体に気をつけて、更新楽しみにしてます(^^) (2021年10月6日 1時) (
レス) @page21 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - プスメラウィッチさん» 一応五条オチのパッピーエンドで考えてます！頑張ります！ (2021年9月20日 8時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ぬしさん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？五条悟と夢主ちゃんはいつ付き合うのですか？続き頑張ってください。応援しています。 (2021年9月15日 21時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - ろさん» やったー！ありがとうございます！ (2021年9月15日 20時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
ろ(プロフ) - 好きです (2021年9月15日 1時) (レス) id: f997d79847 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬし | 作成日時：2021年9月14日 6時
