11話 ページ11
「何描いてるの？」
事後、Aの後にシャワーを借りて出てくるとテーブルの上で、色鉛筆を広げた彼女が何か描いていた
「絵日記です」
見開きの左ページには絵を、右ページには文を書くらしい。
タオルで頭を擦りながら覗き込むと数分で描いたとは思えないクオリティ。一瞬で高専だとわかる。
「その日印象的だった一コマをね。
術式のおかげで写真撮ったみたいに頭の中で覚えてるんで、よくできてるでしょう？」
「うん、本当に写真みたい」
「はは、それは言い過ぎ」
やはり絵を描く彼女は楽しそうだ。
その姿を見て懐かしくなり、微笑ましい。
「でも僕といる時
日記描いてるのは見たことなかったな。
絵はよく描いてたけど」
「あー、記憶喪失のこと言ってなかったからじゃないですか？
別にその日書かなくても月末までは完璧に覚えてるんで、いない時にまとめて書いてたんだと思います。
でも、そもそも人前で絵描くこと自体珍しいみたいですよ」
もう彼女の他人事のような発言は気にならないし、昔から特別枠だったのかと嬉しくなる。
文の方はできるだけ小さな字で書き始める彼女。
沢山書こうという魂胆が伺える。
「字ちっさ」
「だって今日は色んなことがあったから。」
人の話したセリフも所々見られて、きっとそれは術式のおかげで一言一句間違いはないのだろう。
「さっきのことも詳しく書くの？」
「っ〜！書くわけないでしょ！」
赤くなって怒る彼女に笑いながらしばらくその様子を眺めた。
「そうだ、昨日の分も書かないと。」
今日後回しにしたらもう忘れちゃうからね
なんて当たり前のように呟くAに胸を痛める。
こんな業を背負って、何回記憶を失くしてきたんだろうか。
頭をポンポンとするとAに笑われる。その意図を察したんだろう。
「私の代わりに悲しんでくれるのは嬉しいですけど、他所でやってくださいね。
ここでやられると結局私も泣いちゃうからさぁ〜」
うん、そうする
なんて言うとまたAは笑った
少しすると描き終わってノートを閉じるA
「そうそう、今日家に呼んだ理由忘れてました。」
日記を持って手招きするAについていき、別の部屋に入る。
そこには何箱かの段ボール。開いたものからは昔の日記であろうノートと、スケッチブックやら画材が見える。
「口で言って納得してもらえないと思ってたから。
これを見せる予定で連れてきました。でも必要なかったですね。
まあ改めて。
これが私の“記憶”です」
大事なものを見るで、Aはそう紹介した。
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ameyo(プロフ) - 読んでいて涙がポツポツと。。お体に気をつけて、更新楽しみにしてます(^^) (2021年10月6日 1時) (
レス) @page21 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - プスメラウィッチさん» 一応五条オチのパッピーエンドで考えてます！頑張ります！ (2021年9月20日 8時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ぬしさん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？五条悟と夢主ちゃんはいつ付き合うのですか？続き頑張ってください。応援しています。 (2021年9月15日 21時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - ろさん» やったー！ありがとうございます！ (2021年9月15日 20時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
ろ(プロフ) - 好きです (2021年9月15日 1時) (レス) id: f997d79847 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬし | 作成日時：2021年9月14日 6時
