1話 ページ1
「悟くんは食べ物何が好きなの？」
「甘いものなら全般好きだよ」
「じゃあ嫌いなのは？」
「特にないけど…
苦手でいうならお酒かな。
僕下戸なんだよね」
「へぇ意外！
じゃあさ───」
ベッドの上で布団にくるまりながら楽しそうに質問を繰り返す彼女。
どちらとも何か言ったわけではないけど、多分付き合っている。そんな関係。
彼女と出会ってもうすぐ1ヶ月。
今までの女性とは後腐れのない関係しか持ってこなかったし、付き合ってもよくて1週間。
しかも相手からの告白をオーケーしただけのそれと違って、Aのことは本気で好きだった。
…大好きだった。
たった１ヶ月で何を、とは自分でも思うが
本当に運命だと思った。
「今日はやけに質問してくるね」
「うん、だってもうすぐ１ヶ月でしょう？」
そう言って笑う彼女が可愛くて、その笑顔に陰りがあるのに気がつかなかった。
・
・
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「ごめん、この関係終わりにしよう」
「…は？」
あのやりとりが嘘のように、数日後そう言われた。
耳を疑った。
「なん、で…」
「悟くんには私以外のもっといい人がいるよ」
「だから、なんで…！」
「ごめん、さよならっ」
なんでだ、
なんでだよ、
「なんでAが泣いてんだよ…」
泣きながら別れを告げた彼女を追いかけることができなかった。
・
・
・
後日、Aの家にいってインターホンを押すけど反応がない。
ドアの前で数時間待ってると大家さんが怪訝な顔で声をかけてくる。
「泉さんのお友達かしら？」
「A……泉さんはご在宅ですか？」
「昨日で契約終了したわよ？」
「は…？
でもここ越してきたの先月だって」
「あら聞いてないの？
ここ、マンスリーマンションよ」
「……え？」
今どきでは珍しい、携帯も持っていない彼女に会う手段は何もない。
こうして俺の遅い初恋は終わった。
・
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・
・
ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…
アラームの音で目が覚める。
「夢…か」
ケータイのアラームを見ると、既に何回かスヌーズした後で遅刻確定だ。
顔を洗って、黒い服に身を包み、目隠しをする。
5年前。
5年前の夢を見るなんて、相当引きずっているらしい。
たまに見るその夢と彼女を思い出して、ため息をついて部屋を出た。
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ameyo(プロフ) - 読んでいて涙がポツポツと。。お体に気をつけて、更新楽しみにしてます(^^) (2021年10月6日 1時) (
レス) @page21 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - プスメラウィッチさん» 一応五条オチのパッピーエンドで考えてます！頑張ります！ (2021年9月20日 8時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ぬしさん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？五条悟と夢主ちゃんはいつ付き合うのですか？続き頑張ってください。応援しています。 (2021年9月15日 21時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - ろさん» やったー！ありがとうございます！ (2021年9月15日 20時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
ろ(プロフ) - 好きです (2021年9月15日 1時) (レス) id: f997d79847 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬし | 作成日時：2021年9月14日 6時
