私の呪い。【五条悟】

9話 ページ9

もうあれから１週間は経った。
それなのに。



「はぁ」



本日何度目かわからないため息をつく。
ソファに座り天井を仰いでうなだれていると



「これは進展があった匂いがするな」



からかうように硝子が喋りかけてくる。
自販機に飲み物を買いにきたらしい。



「で？案の定嫌われた？」



結局、硝子の言う通りになったのが癪だ。



「気に入ってるって言ったら
本人にそれ言うのは見下してる証拠だ、って」

「はは
それ言って喜ぶのは五条にキャーキャーいうタイプの子だけだよ。それに、五条が自分より弱い人間大体見下してるのは本当だしな」

「そんなことないよ」

「歌姫先輩の五条嫌いの理由もそれだったり。」

「アレはそういうノリだろ」

「どうだか」


こっちは割と本気でへこんでるのに硝子は楽しそうだ。五条が女子に苦労してるってだけで面白いね、と。



「にしても、それだけで怒るのは気難しそうだな」

「んー、
普段ふわふわしてて温厚なんだけど、なんか地雷踏んだっぽい」


急に機嫌を損ねた理由はなんだったんだろうか、考えてもやっぱりよくわからない。
結局、Aちゃんに関して知ってるのは職業ぐらいで何も知らないし。

またひとつため息が出る。



「それと」

「ん？」

「食べ物の乗ったテーブルに肘をつく人は嫌いです、
って閉め出された。」

「あっはは
変な子。面白いじゃん」



珍しく大きく笑ってる硝子。
笑い事じゃないんだけど。



「あのクソクズ教師が、恋愛に悩む姿なんて生徒が見たら衝撃ものだね」

「勝手に恋愛にするなよ」

「ん？違うの？」

「違う」

「はいはい、呪いの調査ね。
仕事熱心で何よりだよ」


仕事なら途中で放り出したりしないよね？

と煽ってまた早々に仕事場へ戻ってしまう。



女の子に拒否されたことないからなあ
あの状況の後、また顔出していいものなのかと悶々と悩んでいる。

この１週間そればっかり気になってしまって仕事に身も入らないし。…元々そんな頑張って仕事してないけど。

本人に聞かなきゃわからないよな。うん。行こう。



……。




「でもな〜〜〜」


あの時は口調からしてまだ大丈夫そうな感じはあったけど。次行ってマジ拒否されたら堪えるなあ


と結局足を運ぶまでに至らず。


またひとつ、ため息をついた。

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