私の呪い。【五条悟】

6話 ページ6

「いやー、いいね
最近は面白いことが沢山ある」


昨日の出来事を思い出して
思わずそんな言葉が口から出る。


「五条がそんな楽しそうなの、久しぶりに見たよ」


休憩中で横にいる硝子にそう言われた


「またなんか面白いもん見つけた？」



たいして興味なさそうに聞かれるが今はそんな薄情な硝子も許してやれるほどの上機嫌だ。



「一般人でね、なかなか強い呪いにかかってる子がいるんだ。

"見える"側の人間でさ、強い呪いのはずなのに本人はケロッとしてる。
興味沸くよね。

…しかも。
何かを隠してる。」


「ほう？」


六眼(りくがん)で見ても、どんな術式がわからなかったのがますます興味を駆り立てる。

『霊感』と言っていたあたり、呪術のことは何も知らなさそう。術式は持ってても自覚がなさそうだな。隠してるのは呪いの方か。



「それに加えてさ、」


考えてることが全部顔に書いてあるようなわかりやすさと、コロコロと変わる表情は見てて飽きない。


抜けてる部分が多くておバカさんなのかと思えば、あの少ない会話で僕の仕事を予測した。
そして自分の情報を渡さないように、と頭は回る。
不思議な子だ。


「倒したいんです」

ふと、少しムカついたような表情でそう言った彼女の顔を思いだし、ククッと笑いが漏れる


「それに加えて、何？」


「一般人(パンピー)にしては、イカれてる」


一般人で、しかも殺されかけたらトラウマものだ。普通はいかに接触しないで生きるかを考えるはずなのに。

邪魔だからどかしたい、くらいのノリで彼女は呪霊を祓う気でいる。


「10代の内に出会ってれば高専にスカウトしたのにな。
ざーんねん」


「随分気に入ってるみたいだね。」


「うん。しかも可愛い。面白い。」


軽く相づちを打つと
びっくりしたように目を見開く硝子。


「！
女か！」



ずっと男のつもりで聞いてたらしい。

女とわかった途端
へ〜、と面白そうに見てくる




「何だよ」


「女なら、距離感気を付けな。
ちゃんと社会人やってるんでしょ？

五条、ミーハー女子には好かれるけど
常識あるまともな人間から嫌われやすいじゃん。」


興味出たわ、
進捗教えてね〜


と言いながら仕事場に戻って行く硝子の後ろ姿を見送りながら


「…はぁ？」


嫌われたことないけど。

言ってる意味が分からずそんな言葉しか出なかった

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