危惧の念7 ページ48
「硝子さん!」
ズカズカと医務室に入って行って、硝子の目の前で止まりメンチを切った。
「進展あり?」
なんて面白そうに聞く所を見ると、やはり私の睨みは恐怖度がいささか足りないみたいだ。
はぁ、とため息をついて医務室のベッドに腰かけて肩を落とす。
「うしろ、見えてるぞ」
硝子さんが自身の首をトントンと指して大体の位置を教えてくれる。
顔を熱くしながら、ガバッと首を手で押さえるけど、既に見られてしまったし。またため息をついて手を放した。
鏡の前に行って頑張って首を捻ると、見えづらい所に一個、キスマークが残っていた。
「あの野郎…!」
全部化粧で隠したと思ってたのに!こんな所まで。
任務で一緒だった七海さんが、途中気まずそうにしてた原因はこれか。
あれから数日、行き先を聞き出そうとする度にキスやら、それ以上のことではぐらかされる日々が続いていて。
やってほしくて聞いてる、って感じになるのも嫌で今日からは聞くのは諦めようと決意したのだ。
そしてこの痕を見てその決意は更に固くなった。
「賄賂渡してもダメですか?」
五条悟の行き先。
とジト目で硝子さんを見る。
この人はどちらかと言えば私の味方をしてくれると思っていたのに。
「………。
…今回ばかりは無理だな」
「ちょっと迷ったじゃん」
硝子さんが賄賂でも教えないとはどういうことだろうか。前代未聞だ。
「じゃあ一個。
浮気ではないですよね?」
「本当にそれを疑ってるなら五条が泣くぞ」
そんな訳ないだろ、
と否定されてまぁ少し安心だ。
「日数的にもそろそろネタばらしありそうだけどな。
ヒント言うなら、浮気の逆。」
「硝子」
バン、と扉を開けて入って来たのは話題の人物で。少し怒ってるだろうか。
「言わない約束だろ」
「まだ言ってないよ」
多分今話してたことだろうけど、私にはさっぱり。
というか浮気の対義語ってなんだ。
「A」
怒ってたその人は私の方に向きなおって
やけに真剣な面持ち。目隠しで半分見えないけど。多分合ってるはず。
でも私は怒ってるんだ、そんな彼の心境など知ったことではない。
「なんですかモラお」
「…それやめない?」
「モラおがモラハラ止めれば考える」
「その事で話があるから。来て。」
「わっ、ちょっといいよなんて言ってないから」
私の返事を聞かずに腕を引いて歩き出すモラお
助けの視線を投げたのに、硝子さんにやれやれ、と見送られてしまった。
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sou(プロフ) - すっごく素敵な作品ですぐに読み終えてしまいました!! (2022年2月14日 23時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - 桜ひかりさん» ありがとうございます!是非お店で探して見てください(* ´ ▽ ` *) (2021年8月17日 11時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - ぬしさん» おかわりご馳走様でした!!!!もう最っ高です!!!!…(オマケもいつの日か拝めることを楽しみにしております)世の中にそんなすんっばらしいだし巻き玉子ある???もうだし巻き玉子の時点ですんっばらしいのに???ウニ入れちゃう????いつか必ず食べると決意 (2021年8月17日 9時) (レス) id: 04b6369d98 (このIDを非表示/違反報告)
ぬし(プロフ) - 桜ひかりさん» そう言ってもらえて嬉しいです!続編も考えてみます! (2021年8月16日 13時) (レス) id: 41dab58f13 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - おかわりは出来ないんですか…???この素晴らしい世界もう終わり????ま????見れるならみたいです!!お願いします!!ご清聴ありがとう!BIGLOVE!!!! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 04b6369d98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬし | 作成日時:2021年8月6日 16時