私の呪い。【五条悟】

30話 ページ30

ぶっ飛ばされながら打開策を考える。
時間が経てばどのみち失血でAちゃんが死んでしまう。
とはいえこのままやられてれば相手の思うつぼ。


ﾁｯ
…なかなか考えてきたな。


どうしたものかと考えていると


「圭やめて！！このバカ！やめろ！
8年前の、後悔してんでしょ！まだ戻れるから！


お願いだから…五条さんを、殺さないで……」


ポロポロと泣きながらAちゃんが叫んだ。
心なしかAちゃんの呪力が強くなっている。


そして、Aちゃんの言葉で迷ったように攻撃が止まった。


「なるほどね、君がAちゃんの元彼か。」

「…だとしたら何だ」

「んー、僕のライバル？」


少し反応する相手。未練タラタラか？


「Aちゃんはこんな器も呪力もちゃっちい奴と付き合ってたのか〜」

「何が言いたい」



「本気で来いよ、ザコ」


せっかくAちゃんが止めてくれたけど、挑発する。これは賭けだ。うまくいくかはAちゃん次第。


・
・
・


何やら五条さんと圭が話してるけど聞こえない。

私のせいで五条さんは抵抗できないんだ。
…このまま2人死ぬくらいなら。


首もとに突き付けられているナイフに体重をかける。
ブス、と刺さる感覚に耐えながら一思いに逝こうとすると

呪詛師がナイフを遠ざけた


「おっと危ねぇ
はは、イカれてやがる。」


「…どうせ殺す気なのに、なんで」


「まぁ見てなよ。
圭が五条悟を殺せるとは思ってないが、アンタが生きてるうちは無抵抗だからな。
しばらく消耗させた後、アンタが死んで術式をもらう。
そしたら五条悟は圭を殺すだろうが…アンタの術式があれば俺は五条悟を殺せるかもしれない。

それは無理でも、アンタの術式があれば生きて逃げるくらいはできるしな。」


コイツにとっては
私はともかく、圭でさえも捨てゴマということか。

怒りがふつふつと湧き出てくる。



ガツリ、と大きな鈍い音がして顔をあげると
暗くなった視界でもわかった。

呪霊に、五条さんの腕が食いちぎられていた。


「五条さん…！」

「いいねぇ！予想以上に順調だ！」


高笑いする呪詛師


私の中でどす黒い感情が溢れる
殺してやりたい。横にいるコイツを。


「…してやる」


「あ？なんだって？」


遠くの五条さんと目が合う
いつも通り優しく微笑むとそのまま、倒れた。


その瞬間、私の中の何かが切れた




「ぶっ殺してやる」

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