_ 異能力 〜 ページ3
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【異能力】人の内にある欲を引きずり出し、増幅させる
「これが欲しい！」といったその時だけの欲でも、「死にたい」といった精神の奥底にある欲でも自由自在。
直接的な攻撃はできないが、もしその対象が抱く欲が危険なものであれば間接的に場を荒らすことも可能。
その時だけの欲は、相手に触れることで引き出せる。多くの場合、渋っている客に武器を買わせる為に使う。向かい合った席で客の手を握り、「お買上げで？」と満面の笑みで聞くのがいつものパターン。そうして客は気付かぬうちに彼の術中にはまってしまう。
奥底にある欲を引きずり出す、というのは相手の理性を一時的に抑え付け、本能的、衝動的な行動を取るようにさせる力である。もしその時の欲が「人を殺りたい」といったものであるならば、近くにある武器をとり、真っ先に人へ飛びかかるだろう。その他の場合も同じように、過激な行動も簡単にとるようになる。……いわば、撃てない人間の代わりに引き金を引いてあげる……撃ちたくない人間の引き金を勝手に引いてしまう力なのだ。
奥底の欲を引きずり出す場合には、対象へ手を伸ばし、手招きのような動作(手の平を上へ向ける、挑発する際によく使う方)をすることが必要。
この能力は副作用が必ずついてくる為、リスクが大きい。
その副作用は、二種類ある。
一つは、使用と同時に彼の奥底の欲までもが引きずり出されてしまい、過度な興奮状態に陥る、といった精神的なもの。
一つは、能力を使用すると彼の身体の一部分が蛇のようなパーツに変化する、といった肉体的なもの。(顔の右半分にうろこができたり、舌が蛇のように細く長くなったり、肌の色が“真っ白”になったり)
どちらも時間経過で元に戻るが、その後の疲労感は長ーく残る。
精神的な副作用が起きた場合、彼は同時に混乱状態にも陥る。普段出している力が六割だとすると、この状態では十割全てを使うといったところ。武器屋であるが故に武器の扱いにも長けている彼は、その気の赴くままにありとあらゆる銃を器用に使って暴れ回る。
まあこの副作用はあまり起こりにくく、平常時であれば確率としては1.5%程なのでほぼないと考えていい。
ただ、彼の精神が衰弱している場合はパーセンテージがグンと上がるので、疲れた時には使わない方が身の為。
肉体的な副作用で変化する蛇というのは、彼の欲をわかりやすく具現化したものである。
最高にゾクゾクする体験だから。血を見たいから。“死んでみたい”
その先に待ち受けるものに検討がつかなくて怖い。"生きていたい"
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