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部屋には必要最低限の家具はついてるので、電化製品と食料品を買った。ポートマフィアの傘下の店なので買った後は「送っとけ」と言うため手ぶらだ。
「そろそろお昼にするか」
時計を見て言う。そろそろ買い換えたいな…
「何か食べたいものあるか？肉とか魚とか、洋風和風とか」
二人を見て言うが「なんでもいい」と言う。
「遠慮してんのか、食に興味ないのか…」
「私は和食がええのう」
「結局いつものとこか」
「まあいい」と言って店に電話して車をよこしてもらうよう言った。
「どこか腰掛けるとこないかのう？」
「そうだな、5分ほどかかるようだからな」
携帯をポケットに戻し、周りを見渡して尾崎に向かって聞いた。
「おい、二人は？」
周りを見るが、中原と太宰の姿がなかった。
私はため息を吐いて先ほど戻した携帯を再び取り出した。
「尾崎はここにいてくれ、連れてくる。」
「すまない、私が目を離したばかりに」
「構わないよ。その代わり針と糸の用意をしておいてくれ給え」
「分かった」
私は二人のGPSを確認する。
速さからして車の中だ。連れ去られたな。
だからこない方が君らの為だったんだけどな…と思いながら歩き出す。
私に恨みがある組織が、私の部下を攫うのはよくある。それに二人は入って間もない。特に体術も何も教えてない為抵抗する暇もなかったであろう。
ま、それは全部自分の所為なんだがな。
丁度いい路地裏に入り、私はナイフを取り出し腕を切った。
血は重力に逆らい上に登る。
やがて私の体を包み込む。
両手を地面につける私の姿は狼だ。
しかしその姿は周りに見えない。透明狼だ。
そもそも私の異能は血を様々な物質を作り出すもの。
血を出して刀を作ることも、そのまま硬化して相手を貫くことも出来る。
ある日動物になれないかと思い、自分を自分の血で包み込んで見たら出来たのだ。
透明なのは元々出来て、狼の姿でも出来た。
コレで思いっきり街を周りに気付かれずに速く駆け抜けることが出来る
私は人の隙間を縫うように駆け抜けた。
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作成日時：2017年4月24日 23時
