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先ほどの報告書を書いていると、バンとなかなか乱暴にドアを開けた音が聞こえたが、そちらは見ずに万年筆を動かしてると後ろからガバッと抱きしめられた。
「A〜!!準備は出来てるかえ?」
「なんの?」
危ない。たまたま筆を上げた時だったから良かったものの、書いてる途中だったら報告書を書き直さなければならないところだった。
「お出かけの!約束してたじゃろ?」
「あー出来てる出来てる。」
「なら行くぞえ!」
はいはい、これ提出したらね。と言って立ち上がると嬉しそうな顔をしている尾崎。
開けっ放しのドアに目を向けると、二人の少年がいた。
「二人も行くの?」
「なんせ物がないから一緒にと思ったのじゃが」
私の腕にがっしりと自分の腕を巻きつけてる尾崎と、巻き付けられてる私を無言で見てる二人
この光景を見てどう思ってるんだろう?と思いながら二人を見ていると黒髪の子が「来てほしくないようですね」と口を開いた。
「ああ、出来れば私がいない時に行ってくれたら助かる。」
そう言うと尾崎に「そない、ええやないかい。」と言われた。
「まあ、かまわない。コレを出してくるからゆっくり待っててくれ給え。」
そう言って私は部屋を出た。
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「これなんかどうじゃ?」
「いやフリルは止めといた方がいいんじゃない?」
子供の服を選んでいる私たち
私の服装はいつもロンTにジーパン、安物のスリッパという感じだが、買い物に行くとなるとちゃんと着替えるよ。ましてや、高そうな店(高い)に入るんだからね。
まあ、七分袖の白シャツにストライプの入ったスキニーパンツだがな。
「無難なシャツでいいんじゃない?ほら、細いストライプなんていいんじゃない?」
「無難すぎんか?」
「あの、自分で選びますよ。」
子供の存在を忘れていたら、太宰が控えめに手を挙げて言った。
「そうか。適当に3着づつくらいを目処に持ってこい。多くなってもいい。」
「えー選びたいのう…」
「選んでいいが、あまり押し付けるなよ。」
「お金は気にするな。」と言って私は店の奥にあるお得意客が入れる休憩出来る部屋に入って貰ったコーヒーを飲んで待った。
10分ほど経つと店員から呼ばれて店内に戻った。
「いいのはあったか?」
カードを店員に渡しそう聞くと尾崎が答えたので、お前じゃないと二人に目を落とす。
「ええ」
「まあ…」
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作成日時:2017年4月24日 23時