黒 尾鉄朗 × 姉 ページ37
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「黒 尾さん、あの綺麗な人誰っスか!?」なんていうリエーフのキャンキャン声を聞き、指差す方を見てみるとものすごーく見知った顔があった。
すらっとしてて背は高く、サラサラの黒いストレートヘアが鳩尾近くまで伸びている。
鼻の下を伸ばすリエーフを見ていると、何だか馬鹿馬鹿しく感じる。
何と言おうとコイツは小悪魔どころではない、最早唯の悪魔なのだ。
『あら、態々来たのに無視なんていい度胸してるじゃない?』
『ねぇ、鉄朗?』なんて言って胸を押し付けながら腕に手を組んでくるあたり、自分の姉じゃなければ最高のシチュエーションだった。うん、間違いないね。
「そんな言うなら来んなよ…。」
「黒 尾さん!?こんな美人になんて事を!!」
シクシクと泣き真似をしながらリエーフに縋り付く我が姉を見て本気で呆れる。
いやだって見てみろよ、あの嫌そうな研磨の顔。
姉貴の周りには昔から人が集まりやすかったけど、その分好き嫌いの分かれるタイプだったと思う。
研磨も昔は一緒にゲームしてたり仲良かったけど、姉貴が高校生になってからは男といる所をよく見た。
『何で振られるのかしらね。』なんて紅葉跡を頬に着けながらよく言ってたわ。
『ねぇてっちゃん、聞いてるの!?』
「んぁ?何が?」
『だから部活終わったら駅前のおにぎり専門店行くって話!』
「1人で行けって、何歳だよ。」
そう言って突き放すと『もうてっちゃんなんて知らないんだから!』とむくれる。
「お姉さん可愛いっス!」と目を輝かせながらヨイショするリエーフはもう手遅れだと思う。
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「…クロ、俺帰っていい?」
疲れた顔をした研磨が俺に問う。
結局1人で駅前に向かって行った姉貴を放っておけずに、研磨と後ろからコソコソついて行ってる。
だって仕方ねぇじゃん?
もう21時過ぎてるし、あの容姿だし、アイツに何かあったら俺が母ちゃんにドヤされる。
「…ぁ」
あの自由さもどうしたものかと頭を抱えていると、ふと研磨が声を漏らした。
研磨の目線の方向に顔を向けると、姉貴が酔っ払いに絡まれていた。
「なぁ姉ちゃんこんな時間にこの辺彷徨くだぁなんて、誘ってるとしか思えねぇんだよなぁ…」
『いえ、おにぎり食べに来ただけなので。』
残念だったな酔っ払い。姉貴の意思は強いぞ。
「まぁそんなこと言わずにさぁ〜」
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花 - 角名君の双子(女の子)と研磨の双子(女の子)お願いしたいです! (2020年11月22日 2時) (レス) id: a08fd39532 (このIDを非表示/違反報告)
川白 - 国見くんの義姉、お願いします! (2020年8月23日 10時) (レス) id: 86245055db (このIDを非表示/違反報告)
ばなな味のあくえりあす - 宮兄弟の妹、星海くんの妹、大地さんの妹のお話書いてほしいです!! (2020年6月24日 3時) (レス) id: a72f134362 (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - とても面白かったです!更新頑張ってください!待ってます! (2020年3月25日 12時) (レス) id: eb111e24a3 (このIDを非表示/違反報告)
スナッチ - 前にリクエストした、 佐久早×従兄弟を書こうとしてくださってありがとうございます!! これからも応援をして、少しでも元気になってくれると、嬉しいです (2020年3月19日 14時) (レス) id: 9c5bac3c4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LigtTrrrttt | 作成日時:2019年6月22日 0時