【HQ】そういう関係。

・ ページ24

・


澤村とスガと話していると急に耳が騒がしくなった。


日向「田中さんのお姉さんですか！？」

影山「おい日向急にどっか行くな！…あ、Aさんちわス。」

西谷「龍の姉ちゃんか！？って3年だ！！！！」

『いや喧し。』


そう言うハッとした3人はスンマセンなんてサッと頭を下げた。


日向「さ、冴子姉さんにはお世話になりました！」

『あ〜、君アレデショ、赤点補習組(にっこり)。』

日向「ひぃ！つ、月島だ…！」


サーっと顔色を悪くしたオレンジ頭のこの子がきっと龍の言う野生児なんだろう。


月島「僕が何？」

日向「イ、イエ！何でもありません！」


そして今来た背高メガネ君がクレバーブロッカー(龍曰く)月島君かぁ。


そんなことを思いながら2人を観察していると急に視界が暗くなった。


月島「ドウモ、田中さんにはお世話になってます。月島蛍って言います、蛍って呼んでください。」


物凄い笑顔で手を握ってきた月島君。


『エ！ナニ！？ス、スガ！何コレ、ドッキリ！？』

月島「僕がいるのに菅原さんの方見るとか酷くない？」

菅原「つ、月島！？どうした！？え！？」


なんだこの急な展開ラブコメか？(違う)


スガと2人で混乱していると潔子の方にいた龍が「おお"ーい！」なんて言いながら走ってやってきて、怖い顔で月島君の手をもぎ取った。


月島「やだなぁ冗談ですよ田中さん。…Aさん、後で連絡しますね〜！」


月島君はヒラヒラと手を振ると向こうの1年らしき子の方へ帰っていった。私も帰らなきゃ。


澤村「A、もう帰るのか？」

『ウン、用済んだし。』

菅原「ちぇー、少し見学してけばいいのにぃ。」


そう言って口を尖らせるスガ。可愛いけどごめん。


影山「Aさん、後で連絡します。」

『了解〜。』

田中「おいA！今日の晩メシ何！？」

『え？知らん。野菜炒めじゃない？』


・


『…って事があったんだよね。』

冴子「あっはっは！そりゃ大変だったな、まさか後輩にもモテるのかよ！」


家に帰って野菜炒めの大皿をつつきながらあったことを話すと、良い酒のツマミになる、と大笑いする姉ちゃん。


田中「大変だったんだかんな！！」

冴子「まぁ、Aもそろそろ彼氏でも作れば？」


姉ちゃんがそう言うと「俺にもまだなのにAには早ぇだろ！」と言う龍。


『…いや、彼氏くらい居るケド。』


冴子 田中「はぁぁぁぁああ！？」


虫の音が響く宮城の夏の夜に姉弟の叫び声が響き渡った。




・

谷地仁花 × 兄→←田中家 × 真ん中

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す