第158号 小田原さん色々 ページ43
漫画のはみ出し修正。
これが私の仕事である。
ひょんなことからアシスタントにスカウトされて、知り合いや友達が増えた。
急に現れた私に、驚き慌てる彼女には大丈夫だよと声をかけて。
その技術を持つ人々を尊敬して。
それから、私は今日もアシスタントをする。
*
「よし、そろそろ休憩にしていいぞ」
頃合いを見て発せられた指示に、息を吐いて安堵する。
それぞれ、腕を伸ばしたり指先を軽くマッサージしたり。
そんな中で、私はお茶を出すために立ち上がった。
「野崎ー、麦茶どこ?」
「冷蔵庫の中に入ってる」
「お、あった」
四つコップを並べて麦茶を注ぐと、次々に腕が伸びてあっというまに残り一個になる。麦茶の容器を机に置いて、私もコップを持ち上げる。
「あ、野崎くん。ここバツマークついてないんだけど、ベタしないの?」
「え?ああ……そこはしてくれ。ここからこの範囲」
「野崎ー、花は一通り描いたからな」
「助かる、御子柴」
休憩だってのに質問やら報告やら。そんなものない私は、一人で自分の鞄を漁る。
あ……本、学校に置いてきたかも。
「ん?どうしたんだよ、小田原」
「いや……ちょっと、忘れ物」
「えええっ!?なに、宿題とか!?」
「課題はちゃんと持ってるよ。ちょっと本忘れただけ」
「あ、なんだ……」
「本も大事なものだよ!?」
あー、そういえばあの時も忘れ物だったなあ、とすごく昔のことのように感じる。
いや、私アシスタントとしては一番後輩だからね。私が参加した時には、もう若松君がトーンやってたし。
「あ、そういや野崎。見てて気になったんだけどよ、コイツ新キャラか?」
御子柴が指差したのは、ワンシーンに描かれている女の子。
確かに、モブにしては結構大きめに描かれているし、新キャラなの……か?
「いや、今のところレギュラーにする予定はない」
「なんだ」
「あれ?でもこの間、野崎くん新しい女の子増やすって言ってなかった?」
「ああ、まあそれは考えているが……とりあえずそいつはモブだモブ」
「モブでももうちょっと大切に扱おうよ」
なんか悲しくなってくるよ。
そんな私の突っ込みはスルーで、野崎は――夢野先生は考え込む。
私としては新キャラ云々とかより早くマミコを助けてあげたいんですけどね。
何で閉じ込められてんのヒロイン。
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スマトラ島のラフレシア - マカさん» ええまったく本当にそうですよね。爆ぜろという思いはきっと私も同じです←感動だなんて大げさですよ!むしろ戴くコメントに感動して打ち震えております。素敵な質問に続いて、コメントありがとうございました!無自覚?ええそうですとも!! (2015年8月13日 19時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
マカ(プロフ) - ふぉぉぉぉぁぁぁぁ!お疲れ様です!ラフレシアs!感動をありがとう!無自覚リア充すえながく爆発しててください!!←切実 (2015年8月13日 16時) (レス) id: 66f2c32cb1 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - 杜爽さん» ありがとうございます……!(レスは間違いでしょうか?)応援いただけると頑張れる気がします!!沢山の褒め言葉を戴けて、ちょっと照れますよ!ありがとうございます。これからも面白いと言っていただけるような作品をお届け出来るよう精進して参ります!! (2015年8月11日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
杜爽 - 実紗封さん» 作者様!このシリーズ(?)とっても面白かったし、内容がとにかく素晴らしくて、これで終わってしまうのがすごくもったいないな~と感じてしまいました。゚(゚´Д`゚)゚。今までとても楽しく読ませていただきました!これからも応援してます!!そして頑張ってください (2015年8月11日 16時) (レス) id: 6baf7ec6df (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - 実紗封さん» うわあああ質問ありがとうございます!!難しい問題ですね……笑 解答はしばしお待ちください! (2015年7月10日 17時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2015年6月19日 21時