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第139号 劇の背景事情4 ページ23

さて、やっとのことで私達も作業開始。


とは言っても、千代ちゃんが色作りであちこちの出来上がっている背景を見回っている間、私は白い板の前で正座してるだけでしたけどね。


「茶色に緑って言ってたよ」

「抹茶を彷彿とさせますな」

「Aちゃん、感想……」


まあまあまあ、と笑いながら、とりあえずべた塗りをする。はいくおりてぃーな影とか質感とかは完全に千代氏にお任せするしかない。
美術は結構得意だし選択教科だけど、あんなのプロの技だし。私アマだし。

基本的には、まず下描きを縁取ってからそのあと中を埋めるだけの単純な作業だ。けれど、なんせ色々複雑なので結構神経を使ったりする。

やっぱりベタは向いてないや……と思っていると、心を読まれたのか(んな訳あるか)千代ちゃんがこう尋ねて来た。


「Aちゃんって、野崎くんの所では修正だけど、その……お母さんの所でも修正なんだっけ?」

多分忘れられてはいないと思うけど、野崎同様私の母も少女漫画家である。

「うん、最近は基本的に修正かなあ。アシスタントさんも来るしね。私が手伝わなきゃいけないのって、大体〆切前修羅場で修正が必要だから」

「へえ、なんかプロって感じだね」

野崎もプロだよ?と言うとそうだそうだ、と笑う千代ちゃん。本当に野崎のことになると笑顔なんだから。

そんな中でも手元は止めない千代ちゃんにプロ魂を感じる。

「ここってどの色?」

「ええと、それじゃないかな。黒っぽいの」

そんな簡単な会話を交わしながら作業は進む。場所も描いている物も違うけれど、感覚は原稿に向かっている時だ。

「楽しいね」

どちらともなく発された言葉に、どちらともなく「うん」と答えた。

*

「お疲れ様です、一回休憩しませんか?」

急に投げ掛けられた声で我に返って、声の持ち主を探した。

黒髪の先輩(上履きの色でわかった)。きっと演劇部の人だろう。

作業も大体のことは終わっていたし、休憩するにはちょうどいい頃合いと見て、千代ちゃんと私は作業を止めた。

「ごめんなさい、私達の不注意で巻き込んでしまって」

おごりのジュースを頂くと、先輩はそう言って謝った。私は慌てて首を振る。

「いえいえ!楽しいから大丈夫です!」

「それに、いつも同じようなことやってますから!」

漫画のアシスタントだね。

「ボランティアみたいなものだし、気にしなくていいですよ」

「そう?じゃあ、お言葉に甘えて。お願いします」

そして、先輩はにっこり笑った。

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設定タグ:月刊少女野崎くん , 瀬尾結月 , 若松博隆   
作品ジャンル:アニメ
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スマトラ島のラフレシア - マカさん» ええまったく本当にそうですよね。爆ぜろという思いはきっと私も同じです←感動だなんて大げさですよ!むしろ戴くコメントに感動して打ち震えております。素敵な質問に続いて、コメントありがとうございました!無自覚?ええそうですとも!! (2015年8月13日 19時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
マカ(プロフ) - ふぉぉぉぉぁぁぁぁ!お疲れ様です!ラフレシアs!感動をありがとう!無自覚リア充すえながく爆発しててください!!←切実 (2015年8月13日 16時) (レス) id: 66f2c32cb1 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - 杜爽さん» ありがとうございます……!(レスは間違いでしょうか?)応援いただけると頑張れる気がします!!沢山の褒め言葉を戴けて、ちょっと照れますよ!ありがとうございます。これからも面白いと言っていただけるような作品をお届け出来るよう精進して参ります!! (2015年8月11日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
杜爽 - 実紗封さん» 作者様!このシリーズ(?)とっても面白かったし、内容がとにかく素晴らしくて、これで終わってしまうのがすごくもったいないな~と感じてしまいました。゚(゚´Д`゚)゚。今までとても楽しく読ませていただきました!これからも応援してます!!そして頑張ってください (2015年8月11日 16時) (レス) id: 6baf7ec6df (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - 実紗封さん» うわあああ質問ありがとうございます!!難しい問題ですね……笑 解答はしばしお待ちください! (2015年7月10日 17時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2015年6月19日 21時

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