第131号 誤解による距離2 ページ15
次の日も、その次の日も、私は野崎の家に行ったけれど御子柴は来なかった。
学校でも会わなかった。元々クラスが離れていたし、今まで会おうと思って会えたことが不思議だった。
電話かメールをしようと思ったけれど、話すべき事柄も見つからなくて結局諦めてしまう。向こうも何も言って来なかったから、胸のあたりにモヤモヤを抱えたまま私は数日間を過ごした。
それから、とにかく聞いてみようと姿が見えた千代ちゃんを捕まえての今日、放課後なのである。
「千代ちゃん!御子柴最近どう!?」
「うぇ?急にどうしたの」
「何か変とかじゃない?挙動不審とか口数が少ないとか!!」
「え、ええと……一回落ち着いて」
落ち着いていられるか。勢いのまま私が言葉を待っていると、千代ちゃんは考え込む仕草をしてから首を傾げた。
「別にそんなことないと思うけど……昨日も今日も、いつものみこりんだったよ?」
「……そっか……」
「あ、でも時々ちょっと暗い顔してたかも。あれ?と思ったらすぐに戻ってたんだけどね」
そうですか。
……うーん、じゃあやっぱり私に対してだけなのかな?野崎も千代ちゃんと同じような答え(というか何も感じてないみたいだったから気づいてはいないのだろう)だったし、鹿島は普通に女子に「御子柴が〜」みたいな話をしていたし。
そっかあ。私に対してだけ……。
だけ……。
……。
「……うわああああっ!!!」
「Aちゃん!?」
いきなり奇声を発してから、顔を覆ってうずくまる私に驚いた声を出す千代ちゃん。「どうしたの!?大丈夫!?」と声をかけてくれたのだが、このときの私の耳にはそんなの聞こえてない。
待って、私避けられてる?御子柴に?よりにもよって?
どうして、という気持ちになる。
いや、本当に心当たりがないのだ。心当たりがない。
というか予想以上にショックだったことに驚く。予想なんてしていなかったけど。
もしかしたら、私は現実を意図的に避けていたのかもしれない。
「Aちゃん……?大丈夫?」
「千代ちゃん……」
「なんかすごい泣きそうな顔してるよ!?」
「千代ちゃぁん……」
心配をかけてくれる千代ちゃんに言う。
「……私さ、御子柴に避けられてるかもしれない」
「えええっ!?みこりんに!?」
「うん……」
「そっ、そんなまさか。だってみこりんAちゃんとすっごく仲良いのに」
そんなはずないよ、と言ってくれる千代ちゃん。
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スマトラ島のラフレシア - マカさん» ええまったく本当にそうですよね。爆ぜろという思いはきっと私も同じです←感動だなんて大げさですよ!むしろ戴くコメントに感動して打ち震えております。素敵な質問に続いて、コメントありがとうございました!無自覚?ええそうですとも!! (2015年8月13日 19時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
マカ(プロフ) - ふぉぉぉぉぁぁぁぁ!お疲れ様です!ラフレシアs!感動をありがとう!無自覚リア充すえながく爆発しててください!!←切実 (2015年8月13日 16時) (レス) id: 66f2c32cb1 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - 杜爽さん» ありがとうございます……!(レスは間違いでしょうか?)応援いただけると頑張れる気がします!!沢山の褒め言葉を戴けて、ちょっと照れますよ!ありがとうございます。これからも面白いと言っていただけるような作品をお届け出来るよう精進して参ります!! (2015年8月11日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
杜爽 - 実紗封さん» 作者様!このシリーズ(?)とっても面白かったし、内容がとにかく素晴らしくて、これで終わってしまうのがすごくもったいないな~と感じてしまいました。゚(゚´Д`゚)゚。今までとても楽しく読ませていただきました!これからも応援してます!!そして頑張ってください (2015年8月11日 16時) (レス) id: 6baf7ec6df (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - 実紗封さん» うわあああ質問ありがとうございます!!難しい問題ですね……笑 解答はしばしお待ちください! (2015年7月10日 17時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2015年6月19日 21時