第195話・新たなチーム ページ7
「ば、ばかなっ…私が、負けただと？ あり得ぬ…あってはならぬ…！ 我々はエイリア…イプシロン改なのだっ…！」
震える声でゴール前に転がったボールに触れるデザーム。そんな彼を心配してかイプシロン改の面々は彼を囲うように、けれど声をかけることなくどうすればいいのか不安そうな顔をしていた。そんな彼らの不安を知ってか知らずかデザームに手を伸ばす者がいた。
「！！」
円堂だ。そんな彼の行動に雷門イレブンも驚きを隠せない様子である。
「地球では、試合が終われば敵も味方もない」
デザームが立ち上がる。
「お前たちがしていることは許せないけど、俺はサッカーの楽しさをお前たちにも分かってほしいんだ！」
円堂の言葉に呆然とするデザーム。彼の困惑は円堂に伝わることはなく、じっと見つめられて円堂はニカッと笑い握手を求め、手を差し出し続けた。
そんな笑顔に何かを感じたのだろう、デザームは円堂の手を握り返そうと手を上げた。
「次は…必ず勝つ…！」
誓いの宣誓のようなデザームの言葉は、熱い『何か』が宿っていた。
手が触れようとした、その時―――青白い光がフィールドを包んだ。
「！！」
「何だ！」
「ジェネシスか！？」
光のした方へ視線を向けると、冷気と共に白髪の青と白のユニフォームを着た少年が立っていた。
「なっ…」
「ガゼル様ッ！」
「…私はマスターランクチーム『ダイヤモンドダスト』を率いる、ガゼル。君が円堂か。新しい練習相手が見つかった」
深淵に響く氷のような声と青く凍てついた瞳が円堂を見つめた。
「今回の負けでイプシロンは完全に用済みだ」
そうして手を上げるガゼルにデザームは円堂から離れ、静かに微笑を浮かべた。円堂は一瞬のことを理解する。ジェミニストームが負けた時、イプシロンがやってきた時を。
ガゼルの手が振り下ろされると、黒いサッカーボールがイプシロンへ向けられ青白い光で包んだ。
光が止むとそこにイプシロンの姿はなく、円堂はガゼルのいた方向へ再び視線を向けるが、ガゼルの姿もすでにそこにはなかった。
『円堂守。君と戦える日を、楽しみにしているよ』
ガゼルの声が響いた―――。
第196話・豪炎寺の帰還→←第194話・イプシロン改戦 その10
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活字不足卍(プロフ) - 若いうちにやってみたいことの一つとして、バンジージャンプがある。でも咄嗟に腰が引きそうw (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年2月27日 15時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
田中優香(プロフ) - 楽しみ過ぎる(豪炎寺の復帰はアツいね) (2021年2月26日 1時) (レス) id: da5dc9d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2021年2月26日 0時
