第191話・彼女と有人 ページ11
「まったくさ〜、私が集中できているのに、きみが集中できていないってどういうこと？」
「……すまない」
「謝るんだったら、練習を中止させてしまったことをみんなに謝るんだね」
「ああ……」
海岸を2人で歩くAと鬼道。
影山のことが気になるのだろう、心ここに在らず、と言った感じだ。
「Aは、あの人と今後どうしたいんだ？」
「今後のことか〜…そうだなぁ…」
彼女は背伸びをしてから深く考えた様子もなく答えた。
「サッカー、かな」
「？ どういうことだ？」
「そのまんま。私はね、あの人と本気のサッカーがしたいの。
あの人が従えるオルフェウスと、私は私が信じる仲間と一緒にサッカーがしたい。
今は、ただそれだけ。
でもそう、今でも私はあの人からサッカーを教えて欲しい。それは変わらない。
きっとオルフェウスにだって嫉妬してしまう。けど、今の私には円堂や有人、みんながいる。
私は楽しいサッカーがしたい」
「━━━━━━、すまない」
「え？ 今の謝るところあったかな」
「違う。俺は…気にしすぎていたんだ。Aは割り切っているんだな」
「うん。サッカーを知る影山零治と悪事を働いていた影山零治…分けて考えれば、あの人の望みは分かる。
前に……言ったよね、私は………影山東吾にはなれないって。覚えてる？」
「ああ」
鬼道に向き直ったAは俯いていた。
「それが、すべてだよ」
「どういう…」
「Aー、鬼道ー！」
鬼道が「どういう意味だ」と聞こうとすると風丸と佐久間が砂を巻き上げながらやってきた。
「おやおや、もしかしてデートですかぁ？ ナンパされないようにね！」
「そんなわけないだろ」
「佐久間さんのマジレスじゃん！
なるほど、佐久間さんが漢字の『漢』と書いて『オトコ』と読む方で
男の『ムスメ』と書いてオトオノコなのが風丸さんなんですぇ！」
「一言余計なんだよぉぉぉ」
「ぎゃぁぁぁヘッドロックはあかん！！」
風丸が容赦なくAをヘッドロックする。
そして彼女は「胸があったら嬉しいのに胸筋固い！」と叫んだのだった。
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活字不足卍(プロフ) - ごめんちゃい………でも頑張って10月中に出すよ！ (2022年10月21日 23時) (
レス) id: 251c6e8c34 (このIDを非表示/違反報告)
活字不足卍(プロフ) - 極端に言うとほぼ今日から書き始めました (2022年10月21日 23時) (レス) id: 251c6e8c34 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます。 (2022年10月9日 21時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - お仕事大変なのに更新ありがとうございます。生きる糧なので続きを期待して待ってます！ (2022年10月8日 18時) (レス) @page37 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2022年10月8日 14時) (レス) @page37 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2022年9月22日 21時
