第167話・悪くないんじゃない？ ページ32
「何がそんなに気に入らないんだ？」
「私の技をパクったことと顔がいいこと」
「最後のは嫌味なのか？」
「有人には分からないよ。あーほんと顔が言いわ〜」
手で顔を覆い指と指の間でデモーニオの顔を見るA。
いつもこの調子のためイナズマジャパンメンバーは、今更驚くこともないが
極東の地にて活躍する世界にその名も轟く九重Aが「このような人物」であったことに
少なからずデモーニオは戸惑い困惑するデモーニオ。
影山と出会う前ことだ。
Aの活躍は、海外のサッカーを特集するような雑誌に小さくではあるが載っていた。
約3か月前、丁度日本でエイリア学園のことが報じられた時期。
たまたま見ていた番組でAが映り、ブラフマーストラと放った瞬間が収められていたのだ。
目を奪われたデモーニオは、見様見真似で幾度となく挑戦をし続け完成させた。
後に知った話だが、それを『何となく』と『思い付き』で作れるのだから、
極東の小さな島国にはとんでもない天才がいるのだと改めて思い知った。
そんな憧れの人物が、自身に力を与えてくれた影山の娘であることを知った時は息が詰まるかと思ったことを覚えている。
影山に頼み込み、Aの映像を片っ端から見た。
無論、課せられたメニューには忠実に熟したが、Aについてはデモーニオの趣味に近かった。
━━━━━━ファンなのだ。根っからの。
そして同じピッチに立てること、彼女に並び挑戦すること。
鬼道と共に否定し、フィディオを、Aを越えることが彼の目的になっていた。
けれど今は、そんなことはどうでもいい。
目の前にある現実は、彼女はとてもユニークでコミカル。
憧れを抱けるのはサッカーのプレイだけなのかもしれない、ということだった。
ポンッと肩を叩かれたデモーニオ。
「安心しろ、いつものことだ」
佐久間が言う。
「そう、なのか…」
「……まぁ別に、悪くなかったんじゃない…君のブラフマーストラ……」
「！」
背を向けられたままではあるがAにそう言われて顔がほころぶデモーニオであった。
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皇(プロフ) - 一番最初から全部読みました。最高です。しかもまだまだ続く…！やっと追いついたので本日の一言も始めてみましたがとても面白かったです。これからも更新頑張ってください！✨ (2022年9月22日 9時) (
レス) @page38 id: 84ae00d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 本日の一言が好きすぎる (2022年9月14日 23時) (レス) @page23 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2022年9月11日 16時
