転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ24)

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第163話・名前呼びページ24

二回戦が終わったその日の放課後。豪炎寺は鬼道を連れ鉄塔広場へやって来た。
そこでは試合が終わった日にも関わらず円堂がタイヤを背負い、
いつもの無茶な特訓をしていた。

「円堂…」
「やっぱり来てたか」
「！鬼道、豪炎寺！」

円堂と鬼道が「円堂守」の原点の話をしていると
「着あれ、君たち何してるの？」女子の声が背後から聞こえ振り返ると
雷門のジャージを肩にかけて練習着に身を包み微笑みを浮かべているAが立っていた。

「九重…」
「やあ」

豪炎寺が鬼道をここに連れてきたこと伝えるとAは笑った。

「にしてもビックリしたよなぁ、いきなり鬼道がピッチに現れた時は！
　まさかお前が来るなんて、思いもいなかったからさ！」
「それは悪かったな、驚かせて」
「でも、嬉しかったぜ。俺…ずっと思ってたんだ。
　コイツと一緒にプレー出来たら楽しいだろうなって。初めてお前の球受けた時から！」

円堂は鬼道にその時の感動を伝える。
だが鬼道は円堂のサッカーを見て、別のサッカーがあるのではないか、と思い始めたのがその頃だと。
それが何かは自分でも分からず、
今日円堂たちと一緒にプレイして「ここでならそれが見つかるかもしれない」と。

「豪炎寺に再びボールを蹴らせた、お前となら」
「円堂だけじゃないさ」
「？」

豪炎寺は黙って2人の話を聞いていたが、Aを見つめ言った。

「Aも俺にボールを蹴らせたんだ」
「私は関係ないと思うけど…」
「フッ、そうか…そうだったな。九重……いやA」
「！何だか照れ臭いな…。これからもよろしくね、鬼道」
「ああ」

Aと握手してから円堂とも握手をする鬼道。
　こうして握手をすることで、
本当の意味で仲間として歓迎されたように思えた鬼道は、2人と握手をした自身の右手を見て微笑んだ。