転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ48)

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第044話・是非交代してもらいたいページ48

「貴方がいかなければ、私から言うつもりだったのだけど」
「そりゃあいいね。私、ああいう役割苦手なの」
「そうかしら。まるで母親のようよ」
「ブハッ…！」
「ちょ、何笑っているの！」

いやいや、だって！どこの世界に同い年なのに「母親」て印象を持つんだよ。

「確かに私、四月生まれで一番早く年を取るけど…そこまで母性育んでないよ」
「例えよ、例え！」

私、イナズマイレブンでは初期の頃のツンケンした夏未はあまり好きじゃないく、
全国大会かそれ以前の御影専農あたりで私の中で好感度はグングン上がって行った。

彼女からしてみれば、最初は泥臭くて、
あまりにも無意味なことに夢中になって、
ずっとボールを蹴っている円堂守という存在への興味本位から始まり、
彼からサッカーの楽しさを教えられ…、
そして彼と言う存在を意識し始め、頭から離れなくなって…━━━━

正直言うと今でも、初期の頃の彼女はあまり好きではない。
だが、分かる。彼女は円堂を好きになる前から随分と可愛らしい部分のある少女なのだと。

「貴方、帝国から目をつけられているわよ」
「光栄だね」
「…気をつけなさい。帝国戦の前、貴方が事故に遭ったこと━━━━」
「帝国が関係しているの…？」

彼女は言葉を濁す。彼女の貴方の中では「おそらく」と言うことなのだろう。
証拠がない、てところかな。

「運転手捕まったの？」
「捕まったわ。けれど、黙秘を貫いている」

そういえば彼女のオトンは、警察にも口利きできるんだったね。
━━━━私は、これでもあの人の心中を理解しているつもり。
真・帝国やら、夕香ちゃんを狙った理由は分からないけれど…あの人のサッカーへの愛憎。
お母さんと、私への愛情も…理解しているつもりだ。
あの人が私を狙って…殺そうとしているのであれば、もっとチャンスはあったはず。
何が狙いで、あんな…下手をすれば死人が出るような事故を起こすというのだろう。

「…そう。まあ、これからは私じゃなくってサッカー部の心配をしてあげることだね。
━━━━特に冬海は信用しないほうがいい」
「？冬海先生を？」
「ああ…。あの男は、Rat…だからね」

私はそれだけ言い残して、豪炎寺を追って河川敷へ降りていく。