転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ15)

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第013話・サッカー部の現状ページ15

結局、私たちはそれ以上言葉を交わすことはなかった。あの人のことだから、すでに私がサッカー部に所属していることも知っているのだろう。――まあおそらくだが、冬海から伝えられたのだろうけれど。
　だが、こうして…こうやってアニメと同じように物語りは進んでいく。

　7年ぶりに父と再会した次の日の放課後。

「どうしたどうした！もうずっと練習してないんだぞ！」

　部室に入ろうとすると部員たちの声が聞こえて来た。というより円堂の声は耳を澄ませなくてもよく聞こえる。

「グラウンド、借りられたのかよ…？」
「うっ…これからまたラグビー部に交渉して！」
「だと思った」

　テンションの低い半田や染岡の声は耳を澄ませなければ聞こえずらい。とはいえ染岡も本来はもっと大きな声をしていて、円堂の声すらもかき消すような声の大きさをしている、というのに。

「どーせ笑いもんになるだけでヤンスよ！」

　ユニフォームに着替えながらも椅子に座り、DSをいじっている栗松。DSを登覗き込むようにしている宍戸もまたユニフォームに着替えながらも「八人ぽっちならテニスコートでも十分だろって」と言う。
　にしても私は見ていた当初ツッコミたかったのは、サッカー部は廃部寸前なのに、相撲部やラグビー部なんて思春期な少年たちに人気はあまりなさそうな部は活躍しているんだなぁ。とことなのだが…この雷門中は思った以上のマンモス校。金持ちよりも一般的な人が多いためか、部活が多くても、少なくても困ると言った感じなのだろう。

　まあ、いくらOLからの転生者とはいえ学校事情は知らないので適当に話している。

「グランドが開いている日にやればいいんじゃないの？」
「そうそう」
「開いたことないけど…」

　半田、壁山、少林などが言うと円堂の「俺たちはサッカー部なんだ！！」と大きな声を上げた。
　円堂は壁に飾ったポスターを叩き

「フットボールフロンティア！今年こそこにで出ようぜ！な、染岡、半田！」
「無理無理」
「壁山～！栗松、宍戸！」
「部員は八人じゃ試合出られんでヤンス！」
「それ以前にAさんは女子だし…」

　あははーっそこばかりは女で生まれた我が身を呪うよー、ごめんねー
　と心で苦笑いをしながら彼らに謝る。すると――

「お前らなぁ！サッカーをやりたっくって入部したんだろうが！サッカー部がサッカーやらなくってどうすんだよ！！」

　ボール一つを脇に抱え、勢いよく部室の扉を閉めた円堂。