転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ34)

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第032話・勝鬨ページ34

「ここで終わりだ。データ収集は完了した。スーパーストライカー豪炎寺のシュート…少しも錆びついてはいない」

　――影山は笑う。
　主審は帝国が試合放棄をしたため、ゲームはここで終了した。
　帝国の装甲車へ向かう鬼道と円堂たちの元へ向かう豪炎寺はすれ違う。

「なんと！帝国学園試合放棄！これは実質的に雷門イレブンの勝利ともいれる事態ですぅ！」

「円堂守に九重 Aか…思わぬ収獲があったな」

　赤いマントを靡かせ帝国の装甲車に入る鬼道。

「ねえねえ！これって記事に書いてよね！」
「ええ！」

　帝国の去ったグラウンドでは、円堂たちが豪炎寺を囲んでいた。私はと言うと風丸に肩を支えられ立っている状態だ。

「よく来てくれたな！これで新生雷門サッカー部の誕生だ！豪炎寺これからも一緒にやって行こうぜ――え？」
「今回限りだ…」

　円堂が喋っている途中に雷門のユニフォームを脱ぎ、円堂に返した豪炎寺はその一言言って去って行った。

「あ、豪炎寺！ ……ありがとな！ありがとう！」
「キャプテン！止めないんスか？」
「いいんだよ！さあみんな！見ろよこの1点！この1点が、雷門の始まりさ！この1点が、俺たちの始まりだ！」

　人差し指を空高く立てて、少年たちは「おうっ！」と大きな声で勝鬨を上げた。