だぁかぁらぁ！俺は厨二病じゃねぇ！

二択だ ページ8

Aサイド




彼は只々、月を見つめる。




太宰「君が街に来たのも２週間前、虎が街に現れたのも２週間前。鶴見川べりにいたのが４日前、同じ場所で虎が目撃されたのも４日前」




うーんジャスト！！




太宰「国木田君が言っていただろう。武装探偵社は、異能の力を持つ輩の寄合だと。巷間には知られていないが、この世には異能の者が少なからず存在する」




中島敦の体が、変形を始める。




太宰「その力で成功するものもいれば、力を制御できず身を滅ぼす者もいる。大方、施設の人は虎の正体を知っていたが、君には教えなかったのだろう」




月光を浴びて、中島敦が吠える。


ちょっと五月蝿いと思ったことは秘密。




太宰「君も“異能の者”だ。現身に飢獣を降ろす、月下の異能力者」




月光を浴びて吠えたのは、中島敦か、はたまた白虎か。


これが、異能力…！！


俺のは確か、雷落として、それに当たった奴は即死…


今は使えないな。キャラ殺したら終わりだろ。


ってかこの異能、探偵社には不向きだよな。


マフィアがあったはずだよなこの世界。


そっちが向いてるわ異能的に。人殺す勇気ねぇけど。


ひらりひらりと虎の攻撃を躱していく太宰治。


普通にすげぇ。あ、虎が木箱ぶっ壊した。




太宰「こりゃ凄い力だ。人の首くらい簡単にへし折れる」




怖いわ！！冷静に言うなし！！


そう心のなかでツッコんでたら、なんと、なんと！！


虎がこっち向いたぜイェーイ！！死んだぁぁ！！


これ身体能力上がってたりしねぇかな！


頼む俺の転生特典！ジャァァンプ！！




ﾀﾞﾝｯ!!




…わあ。天井まで届いたビックリ。


太宰治も驚いてるじゃん。




太宰「君は、一体…」




俺だって訊きたい。


俺にこんな運動能力授けた神どこだ。


全力で礼を言いたい。


さて、適当に逃げるか？


いや、それよりも虎に諦めてもらったが良いか。




『虎よ、二択だ！俺を殺すか、俺が諦めることを諦めるか！』




結果虎は、くるりと方向を変えた。


悪いな太宰治、きっとなんとかすると信じてるぞ！




太宰「虎に殺される最期というのも悪くはないが…」




彼の手が宙に伸ばされる。




太宰「君では私を殺せない」




指先が、虎の額に触れた。




太宰「異能力【人間失格】」




、

格が違う身体能力→←さぁ…来るぜ

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