だぁかぁらぁ！俺は厨二病じゃねぇ！

何でもない ページ45

Aサイド




翌日。太宰治はまだ帰ってこない。


国木田独歩に彼を寮で待つと伝えてある。


心配だ。若し、万が一、彼が、


殺されていたら。


悪寒が走って、頭を振った。


彼に限って、有り得ない。


有り得るはずがない。


そうして待ち続ける事数時間。


日が西に傾き始めた頃。


用意した夕飯を冷蔵庫から取り出して、


本日何度目かのレンチンをする。


こうでもしないと、気が狂いそうだった。


温めた夕飯をちゃぶ台に出した、その時。


カチリと、鍵が差し込まれる音がした。


そのまま、ドアノブが廻る。


ドアが、開く。




太宰「ただいまぁ〜」




…嗚呼、良かった。


帰って来たんだ。




太宰「え、部屋綺麗になってる！」




俺がやったんですよ。


仁義なき戦いもしたけど。




太宰「これ夕飯かい？凄いねA君、家事できるんだねぇ」




昨日作ってたんですよ、


アンタ帰ってこなかったけど。




太宰「さっそく食べていい？」




肯定の意味で、ちゃぶ台の一角に陣取り、


手を合わせて、箸を取る。




太宰「ありがとう！」





もぐもぐと頬張る太宰治。


先刻の発言が、どうも耳に残った。




＿＿＿ あの子は死なせない




ふと、声を出していた。




『…太宰、治』



太宰「ん？何？」



『……否、何でも無い』




あれは本心なのか、なんて、


あの時の彼の表情を考えれば、


訊くのは野暮だ。




、

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