だぁかぁらぁ！俺は厨二病じゃねぇ！

初耳 ページ43

Aサイド




何故見えるかなんて、訊かなくても判った。


これはきっと、原作の大事な場面なんだ。


だから、見せてる。


俺(転生者)だけに、神様が。


中原中也の猛撃を、太宰治は簡単に避け、


腕を掴み、思い切り打撃(パンチ)を叩き込む。


ヒュッと、喉の奥で息が鳴った。




中原「何だその打撃(パンチ)」




太宰治が蹴り上げられ、壁に叩きつけられた。




中原「按摩(マッサージ)にもなりゃしねぇ」



太宰「流石はマフィアきっての体術使い。防御した腕がもげるかと思ったよ」




中原中也の手筋も間合いも、太宰治は把握していた。


瞬間、中原中也が地面を蹴る。




中原「だッたらこの攻撃も、読まれてるンだろうなァ！」




速い。太宰治の腹に、拳が叩き込まれた。


首を押さえつけ、壁に叩きつけられる。


……殺せると、言いたいんだ。


神様は、俺に。


今ここで装飾品を外して異能を発動すれば、


中原中也が殺せると言いたいんだ。




中原「終いだ、最後に教えろ。態と捕まッたのは何故だ。何を待ッていた」




…出来るはずがない。


この人を、俺が殺せるはずがない。


それも屹度、神は判っている。


判っていて、見せている。


とことん、性格が悪い。




太宰「…１番は、敦君についてだ」




どうやら、彼に金をかけた奴を調べたいらしい。




太宰「そしてもう１つは、A君」




急に自分の名前が出てきて、目を見張る。




太宰「これは中也に訊こう。何故、A君を殺そうとしている？」




暫く沈黙した後、中原中也が口を開いた。




中原「マフィアにとって、彼奴が脅威だからだ」



太宰「脅威？非異能力者の彼が？」



中原「彼奴の体術、マフィア上位と比べても頭一つ上なンだろ」




初耳なんだけど。そんなに凄かったの俺。




太宰「マフィアに引き込むという考えは？」



中原「じゃあ訊くが太宰、平賀Aは、どういう奴だ」



太宰「１度決めたことは曲げない子。仮令どれ程拷問しても、屹度曲げない」



中原「だろ。無謀な事に時間を費やすより、さッさと片したがいい」



太宰「流石は森さん、効率の権化なだけあるね」




森、さん？誰？文豪か？だとしたら…


森鴎外、とか…？はは、まさかな。




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