月が綺麗ですね【桃】 (ページ3)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:3,095 hit

2 ページ3

・

　Aちゃんが来てから、俺は毎日会社に通った。

　なーくんから、本当に怪しまれて言い訳が大変だけど。

　Aちゃんに会いたいから。

　毎日、Aちゃんを見ていたいから。

　無意識に会社にいってしまう。

さ「はぁー。本当に馬鹿だな。俺。」

　こんなに好きになってるのに、冷たくあしらうって。

　馬鹿すぎるだろ。

　いつ、Aちゃんがどこの男と付き合っても可笑しくないじゃん。

　なんなら、今も彼氏居るんじゃないの？

　あんなに可愛いんだから。

　まあ、とりあえず今日も会社に入るか。

『あれ？さとみさん？昨日ぶりですね！』

さ「え！？Aちゃん！？」

　会社に入ったとたん、Aちゃんから話し掛けられる。

　待って、こんな嬉しいことある！？

『社長ですか？お呼びしますね！』

さ「あ、、うん。」

　ほら、まただ。

　他人事みたいに扱って。

　これの繰り返しじゃん。

『すみません、今社長、お取引先のかたとの対談のようで、待っててもらえますか？』

さ「うん。」

　なーくんへの用事はそんなにないけど。

　Aちゃんに会えるなら、それでいいか。

『さとみさんって、すごいですよね。』

さ「え？」

『いや、だって今まで毎日投稿してたんですよね。』

さ「あーね、すごくはないよ。」

　質問に答えてから、すぐ視線をスマホに移す。

　目を合わせてるなんて、無理。俺のメンタルが幸せすぎて死ぬ。

　あー、俺のせいでAちゃん傷付けちゃうな。

　だから、早くお仕事に戻って。