Not Alone… (ページ45)

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st緑

「…もしかしたら、結界かも。」

きょもの放った言葉が頭の中で暴れている。
ケッカイ…？けっかい…、結界…？？

「結界って、あの？」

「あぁ。」

「なんで分かるの？」

「前に本で読んだんだ。AタイプとNタイプの運命についての本。結界が出来たことを感じるのはAタイプの本能で、直感で分かるらしい。それに、結界を張られたら…。」

きょもは唇を噛んで俯いてしまった。

「…Aタイプの誰か1人が結界の外に出なければいけない。出れなかった場合のことは書いてなかった。つまり…。」

「出れなかった人は、永遠に結界の中とかってこと？」

「たぶん。もしくは…死ぬか。出れない場合についての記載がなかったんだ。今まで出られた人が少ないってことだよ。」

あまりにも衝撃的すぎて理解が追いつかない。結界なんて無縁だと甘く見てた自分が腹立たしい。

「NはAを狙ってくる。だからNから逃げながら結界にたった一つしかない出口を探し出して1人でも良いから出ないと…。」

「1人でも出れたら俺たち皆助かるの？」

「確かそうだった気がする。」

先程での盛り上がりはどこへ行ったのか。
いや、あの時の楽しい気持ちを、時間を返して欲しい。

…返してもらうには、結界から出ねぇと。

「やってやろうじゃん。」

「慎太郎くん？」

「皆でこっから出ようぜ！」