Not Alone… (ページ32)

今日:7 hit、昨日:15 hit、合計:68,596 hit

・ページ32

st黒

「では中を案内しますね。土足で結構ですので、ついてきて下さい。」

スタッフさんに続いて正面玄関から校舎に入る。

下駄箱が並ぶ入り口は一番上の階まで天井が吹き抜けになっている。見た感じ3階建てのようだ。

「この辺は子どもの数が年々減少していたこともあって、元々中学校だったこの学校自体も大きくなくて各階に2クラスずつしか教室がありません。3階まであって、階段を登って左側が教室、右側が理科室や図書室など特別教室が続いています。」

階段を上がると確かに左側は多目的室になっておりその先に教室が２つ。右側は廊下が続いているからこの先に特別教室があるんだろうな。

「うわ、すごっ！」

ラウールが廊下の片側から下を覗いていた。皆もラウールに続いて覗いてみると先程玄関で見た吹き抜けに繋がっており、玄関が丸見えだった。

「なんか造りがおしゃれだね。」

「ほんと。廃校になったのが勿体無いよ。」

各々の感想を言いながら廊下を歩く。
2階の廊下を進むと再び二手に分かれている。

「この渡り廊下の左側に体育館。右側は格技棟と呼ばれる小さな建物があります。」

スタッフさんに続き、右側に進む。突き当たりは階段があり、降ると外につながり開放的だ。

「え、渡り廊下の下って外だったの！？」

慎太郎の驚いた声に振り向く。
先程通ってきた渡り廊下の下は通路が舗装されているだけで壁は一切なく、ほとんど外にいるようだった。

「ここ行けば体育館にも行けるんだ。」

「へ〜なんか迷路みたいやなぁ。」

こじんまりしている割に複雑な建物だ。
一回来ただけじゃ迷子になりそうなくらい。

「このくらいですかね…。ではグラウンドに戻りましょう。」

体育館の方へ向かう途中で学校の正面玄関に戻ってきた。

グラウンドでは数名のスタッフさんが撮影の支度を進めている。

…なんだろう。嫌な予感がする。