Not Alone… (ページ30)

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st青

「…り。…ゅり！…樹っ！！」

「ん〜…？」

「起きて〜。」

「…もー着いたのぉ？」

寝起きの頭でロケ地に向かっていた事を思い出し、重たい瞼を開けた。

俺を起こしてくれたのは北斗だった。
真っ先に寝たこともあって、到着する数分前に起きたらしい。

後ろを振り返るとフードを被って音楽を聴いていた岩本くんと師匠。寝ている様で寝ていなかったらしい。

慎太郎ときょもは爆睡していてまだ起きそうにない。

「慎太郎ー、京本ー。着いたって〜。」

2人の肩を揺すりながら起こす北斗はまるで母親の様。欠伸をしながら2人も徐々に夢の世界から現実世界へ。

「お疲れ様でした。ロケ地近くの公民館に荷物や機材を運びますので、そこで一旦トイレ休憩にしましょう。」

スタッフさんは腕時計を確認し、また口を開いた。

「今17時半過ぎですので…18時にロケ地の事前確認に向かいます。もう少しで向井さんと目黒さんも到着される様なので。」

スタッフさんに続き、俺たちも泊まり道具が入った荷物を持ちバスを降りる。もう一台のバスからも他のメンバーが降りてきた。

どうやら向こうも寝ていた様で、皆して寝起きの顔をしている。(笑)

「うあ〜疲れたぁ。」

「流石に腰痛いね。(笑)」

「よく言うよ。いびきかいて爆睡してたくせに。」

そんな話し声が聞こえて皆が大笑いする。
公民館の中に入り一角に荷物を置き、それぞれ自由時間を過ごす。

「ん？北斗トイレ？」

「うん。」

携帯片手に立ち上がった北斗はトイレに向かった。その後ろ姿を見つめていると優しく肩を叩かれた。

「樹？何見てんの？」

「あ、師匠…。」

「あれ、北斗は？」

「今トイレに行った。」

「だから見てたのね。(笑)」

「…師匠、何あった時は、頼みますね。」

「もちろん。任せとけっ。」