Not Alone… (ページ13)

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お泊まりページ13

st桃

北斗への謎の襲撃事件から1ヶ月。
あの日以来、仕事の移動中や帰り道は基本単独行動禁止と決めた。休みの日も必要最低限は一人にならないことも。マネージャーにも軽く伝えておき、あまり大々的にならないように気を配った。

俺たちが徹底的に行動範囲を固めているおかげか、北斗へはもちろん、俺たちへの嫌がらせの様な襲撃は一切無かった。

「本当にNタイプの奴がやったのかな…。」

「ん？きょもどうした急に。」

「この前の、北斗の件の事。」

「あぁ…確かになぁ。」

ラジオ収録後の車の中。マネージャーが運転する車の後部座席に樹と並んで座っていた。

俺の独り言が大きかったようで、樹にも筒抜けだった。

「Nタイプの人間がテレビ局にいると思うと…誰が狙われても可笑しくねぇもんな。」

「でも、飲み物を仕込んでおいたって事は北斗狙いだったって事でしょ？」

「まぁな。あれ以来ビビリ度増して俺ん家に泊まりにくる事増えたんだよね。(笑)」

「…一回俺にも連絡きたもん。」

北斗がメンバーの家を転々としているのは知っていた。1人で家にいて何かあるより誰かと一緒の方が落ち着くのも分かる。俺だって同じ事をすると思うし。

それでも俺の家には流石に来ないだろうと思っていた矢先、片手で数えられる程しか掛かってこない彼からの着信がきた。

「え！？うそ、どうしたの？？」

「半泣きで皆に断られたって言ってきて。でもはっきり泊らせてとは言って来なかったよ。(笑)」

「俺が夜中まで仕事あって断った時かな…？そん時ぐらい素直になれば良いのに。(笑)」

「父さんに頼んで迎えに行って泊らせたよ。ま〜同じ部屋で寝るの気まずかった。(笑)」

「はははっ。(笑)きょもほくだなぁ。(笑)」

あの空気感を味わってもらいたい程。
説明するのも大変だったが、北斗の家に向かう最中に父親に簡潔に伝えた。物分かりの良い父は特に深入りせずに車を走らせてくれた。