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「はー…。」
あれから何とか京子と花から逃れた或は自宅へと急いで帰宅し、ベッドへと横たわっていた。
小さな家だが一人で暮らすには大きすぎる家。
或に両親はいない。
十年前、突然両親がいなくなってしまった。
捨てられた。
当時の或はそう考え、泣き続けた。
施設をたらい回しにされ、最終的にはこの家に住むことで落ち着いている。
最後にいた施設で誰かが或に家をくれた。
名前も性別も何もかも不明だったがこれ以上施設にいたくなかった或にとっては好都合だったため住むことにした。
光熱費や食費はその誰かが負担してくれている。
気味が悪いが中学生の或には住みやすい状況にある。
けれど或は一人。
にぎわう家族の声もない、しんとした室内。
寂しい。
いつも或が感じている感情。
だが今日は違う。
ワクワクしている。
あの光景が脳裏に焼き付いて離れない。
「あれが何だったのか知りたい…十代目ってなんだろ……あの赤ちゃんも…。」
そう口にしながら或はそのまま眠りについてしまった。
「…あいつが初代の…面白そうなことになりそうだな。」
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作者名：のらまる | 作成日時：2021年3月24日 23時
