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「(なんで雲雀さんがいるのよ！！これ見つかったら私…死…！？)」
応接室での出来事は奇跡とはいえ目をつけられていることには違いない、出れば無傷どころか目も当てられないことになるかもしれないという恐怖から或は獄寺の後ろから出られなかった。
「今日は君達と遊ぶために来たわけじゃないんだ。赤ん坊に貸しを作りに来たんだ。ま、取り引きだね。」
「(よし、私に気づいてない！けど赤ちゃんと取り引きって…。)」
「待ってたぞ雲雀。」
「ふーん。」
雲雀は男性をじっと観察し、足でうつ伏せから仰向けに変える。
「やるじゃないか、心臓を一発だ。うん、この死体は僕が処理してもいいよ。」
「なっ！はぁ〜！！？何言ってんの〜！！？」
雲雀の発言はとんでもなく、ツナの反応も当然のものだった。
「死体を見つからないように消して、殺し自体をなかったことにしてくれるんだぞ。」
「いろんな意味でマズイよそれは！！」
「じゃああとで風紀委員の人間よこすよ。」
「委員会で殺しもみ消してんの〜！！？」
次々と出てくる問題しかない雲雀の発言はリボーン以外の全員を驚かせる。
そして雲雀は「またね。」と言えばまた窓から出ていってしまった。
「いや！ちょっ！あの！！」
ツナが窓の外を覗き込む。
「十代目！！どいてください！！あいつだけはやり返さねーの気がすまねぇ！！果てろ！！」
獄寺はそう叫ぶと火のついたダイナマイトを雲雀に向けて何本も投げつける。
「そう死に急ぐなよ。」
だが雲雀はトンファーでその全てを跳ね返した。
当然跳ね返ったダイナマイトは部屋へと戻り
ドガアン！
と爆発した。
室内はボロボロ、奇跡的に全員無事だった。
「いたた…って、死体がなくなってるよ！！！」
ふとベッドに目を向けた或が見たのはもぬけの殻のベッド。
男性の姿がどこにもなかった。
今の爆発で消え去ってしまったのか。
「いやー、死ぬかと思った。危ない危ない。」
「んな〜！！！生き返ったー！！！」
ツナの背後に立っていたのは死んだはずの男性だった。
リボーンの説明によると彼は殺され屋のモレッティと言い、自身の意思で心臓を止めて仮死状態になる"アッディーオ”が使えるボンゴレの特殊工作員らしい。
モレッティは日本に遊びに来たため、帰る前にツナにこれを見せに来たと言う。
リボーンは空砲の音をツナに聞かせ、銃を持たせたと言った。
「よかった…。」
ツナは安堵し、へたりと床に座り込んだ。
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作者名：のらまる | 作成日時：2021年3月24日 23時
