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ほんの少しの間、室内は沈黙に包まれた。
「おおおっ！」
「十代目のすごさをわかってんじゃねーか、ボクシング野郎！」
「は？えっ、なんで！」
盛り上がる山本と獄寺。
それに対してツナは驚きを隠せずにいた。
そんなツナを無視するかのように話は進んでいく。
「賛成の者は手をあげてくれ！過半数の挙手で決定とする！」
了平は勢いよく手を上げ、挙手を求めるも誰も手を上げようとはしなかった。
一年には無理、負けたくない、冗談だろ、と言った声が多いからだ。
「はーい…なんつって…。」
或はボソリと誰にも聞こえないように呟き、机の下で小さく手を上げる。
理由はここ最近のツナの行動によるものだ。
剣道部主将持田に勝利、山本を飛び降りから救出、ダイナマイトの鎮火、或達が気絶している間に起きた雲雀に対する頬への一発とスリッパでの一撃。
それらを踏まえて、ツナの総大将を賛成するということだ。
だが誰も上げていないという恥ずかしさゆえ、高らかに手を上げることはできず、机の下で上げることしかできなかった。
誰も手を上げようとしないことにツナはほっと胸を撫でおろすも
「手をあげんか！！！」
「ウチのクラスに反対のやつなんていねーよな。」
と了平、獄寺の圧により半ば強制男子は渋々、女子は獄寺だからという理由で手を上げていく。
「この勢いならいずれ過半数だろう。決定！！！棒倒し大将は沢田ツナだ！！」
「は！！？うそー！！なにそれー！！！」
ショックを受けるツナを横目に或は小さな声で獄寺に話しかける。
「よかったね獄寺君。」
「ったりめーだ。なんたってボンゴレファミリーの次期ボスになるお方だ、このぐらい選ばれて当然だ！」
「ふふ…そうだね。」
「っ。」
くすくすと優しく笑う或の表情に獄寺は少しどきりとした。
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作者名：のらまる | 作成日時：2021年3月24日 23時
