泡沫 ２

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スキル使用開始から5分が経過しただろうか。
今までの経験上一定時間はだいたい10分前後。
それまでに終わらせないと…俺がスキルの副作用で動けなくなる。

今現在、俺の周囲を囲むのは4体の上級モンスター。

突進してくるものや、斧を持ち擬人化しているものなど様子は様々である。

俺は剣を水平に切り、一気に4体に攻撃する。
モンスターたちも斧を投げたり攻撃してくるが、俺は致命傷になり得るものは避けて、モンスターとの距離を詰めていく。
かすった爪などは瞬時に回復し、裂けた衣服だけがその攻撃の跡を物語っている。
俺はモンスターの急所である首元を狙って、次々と攻撃を決めていった。





ジンside

ここが…こうなってるから、たしか…こう書きかえれば、、

遠い昔の記憶を引っ張り出して、必死に魔法陣の解析を進める。
ちらっと広場の中央を見ると、次々と湧き出るモンスターたちを一匹残らず、踊るように倒していく紫耀の姿があった。
周辺にはモンスターの死骸が散らばっており、中には消滅していくものもある。

早くしないと。紫耀のスキルが切れる前にっ！！

さらに数分が経過しただろうか、、

「っっしょう！！！！ わかったぞ、止める方法がっ！」

やっと止める方法が分かり、顔を上げると、一体のモンスターが目の前に立ちふさがっていた。

「え？」

突如、ものすごい衝撃が全身に走り、気付いたときには、目の前には広場の天井が広がっていた。

「ジーーンッッ！！！！」

どこか遠くから紫耀の絶叫が聞こえてくる。
その声でようやく肩から腹にかけての鋭い痛みを自覚し、攻撃されたことを理解した。

狭い視界の中で、再び先ほどのモンスターが鋭利な爪を俺の方に向けているのが見えた。

ここで死ぬのか…？
紫耀…ORESENのみんな、ごめん…

モンスターが無情にも爪を俺の方めがけて振り下ろす。
俺は来るべき衝撃に備えて目を閉じた。


しかし、衝撃はいつまでたっても来ず、代わりに頬に生暖かい何かが飛んできた。

「…お前の相手は、おれだぁ！！」

しょう？

紫耀の力強い叫び声と共に、何かが倒れた振動が伝わってきた。

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