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そしてすぐに耳元で、聴きなれた、安心感のあるハスキーボイスが鼓膜を揺らす。
「ジン、ジン！！ 目を覚ましてくれ…頼む、死ぬな」
「…かってに、ころす、なよ」
重たい瞼を上げると涙ぐみ、俯く紫耀の姿があった。
「ジン！！！ よかったぁ……。今治すからな」
安堵するや否や、紫耀の顔がすぐにきりっとした表情に変わる。
俺はその表情で紫耀が何をしようとしているのか察した。
「ちょ、まて。それは、つかわなくて、いい。おまえ、けがした、だろ？」
何食わぬ顔でいるが、先ほどから左手が腹部に手を当てていることに俺は気づいていた。おそらく、先ほどの生暖かい液体は紫耀の血液だろう。
限界突破のスキル使用中でありながらも、腹に手を当てているということは相当な怪我だったはず。あとからくるであろう副作用が恐ろしい。
「大丈夫。こんなのかすり傷だから。それよりジンの方がやばいから、ほらいくよ」
そう言うと深紅に染まっていた紫耀の瞳が再び光った。
紫耀side
時が止まって見えた。
ジン側には倒したモンスターしかいないはずだったのに。
ジンの嬉しそうな声で振り返ると、一体の牛が擬人化したような巨大なモンスターがジンを攻撃しようとしているところだった。
今相手している馬のようなモンスターを秒速で横切りにし、飛ぶようにジンの下へ駆け寄る。
が、間に合わなかった。
鮮血を散らせながら、ジンの細い体が宙を舞い、地面に投げ出される。
「ジーーーーンッッ！」
モンスターは再び、ジンに向かって爪を振り下ろそうとしている。
頼む。間に合ってくれっ！！！
俺は間一髪でモンスターとジンの間に身体を滑り込ませることができた。
何かが腹を貫通するような、そんな違和感。
スキル使用中だと痛みはないはずだが、そんな中でも痛みを感じてしまうほどの衝撃だった。
しかしそんなのに構ってはいられない。
俺は腹に爪が刺さったまま、剣を振り、モンスターの頭を落とした。
そして無意識に腹を抑えながら、ジンに駆け寄った。
ジンの顔はすでに血の気がなく、右肩から腹にかけて鋭く切り傷があり、血がどんどんあふれ出していた。
ジンはたぶん俺の副作用も考えて、自分の状態の事は考えずに使うなというが、そんなことは言っていられない。
俺はすぐにもう一つのスキルの使用を決意した。
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お鈴(プロフ) - のんのさんのお話大好きです。更新嬉しいです。無理のないペースで進めてくださいね。楽しみにしています。 (2022年8月23日 19時) (
レス) @page21 id: 0e59b42761 (このIDを非表示/違反報告)
ほのぼの(プロフ) - 病系設定大好きなので、これからのお話とても楽しみにしています！！ (2022年2月27日 23時) (レス) id: 414fcdeeee (このIDを非表示/違反報告)
のんの(プロフ) - ぬれおかきさん» リクエストありがとうございます！ 今構想を練っているお話しがあるので、終わり次第考えさせていただきます。細かい設定までありがとうございます^^ (2022年2月13日 17時) (レス) id: 7fe50d03e5 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき - 追加で、時期的に2021年夏の仕事が忙しかった時期でストレスの兼ね合いもあり、はじめの方は下痢やお腹が痛いなどの症状が出ても我慢して仕事をしていたけど、廉くんにばれてしまい病院での診察結果が過敏性腸症候群だったと前置きを入れていただけたら幸いです。 (2022年2月13日 0時) (レス) @page15 id: cc9be56d75 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき - 紫耀くんが過敏性腸症候群になるお話しをリクエストしてもよろしいでしょうか、？トイレに篭る系をメインで看病は基本廉くんで時々メンバーが出てくる感じでお願いしたいです。 (2022年2月12日 23時) (レス) @page15 id: cc9be56d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のんの x他1人 | 作成日時：2022年1月9日 10時
