ロメオ ページ9
パーティーは一時間前に終わり、お風呂から出た私は廊下を歩きながら今日のことに頭を悩ませていた
勇次郎と愛蔵________.......
鮮明に覚えているようで覚えていない感じ。でも、これだけは解る
近所の子たちにいじめられて塞ぎこんでいた頃。部屋から出ない私を心配した両親が連れてきてくれたのがあの二人
それから外に出るようになって。でもある日突然来なくなった
........嫌われたのかと思ってたのに
自室に着き、扉を開けて靴を脱ぐとベッドに転がった
窓が空いていたせいか少し冷たいベッド
........私、窓なんか開けた.....?
「やあ、A」
「ひゃ!?」
声の主は開け放たれた窓に座る深い海色の青年________.......
「ゆ、勇次郎!?」
「そうそう勇次郎.......ってあれ?『くん』無くしてくれたんだ?」
しまった
「う、うん。あの.......その.......」
「ん、何かあった?」
無理矢理聞き出さない彼の優しさに少し目が潤んだ
昔も、こんな風に優しくしてくれたのかな.........?
「貴方のこと忘れててごめんなさい」
精一杯下げた頭を上げると彼はひどくビックリした顔をしていた
でも、すぐに頬を赤らめてクスッと笑ってくれた
すると足を組んで自分の隣をポンポンと叩いた
座れということだろう
その通りに座ると少しだけ沈黙が訪れる
「...........勇次郎、あのね」
たくさん伝えた
二人のお陰で外に出られるようになったこと
おかげで救われたこと
勇次郎は時々相槌をうちながら目を細めて聞いてくれた
まるで、『よかったね』と言ってくれているみたいに___________.........
ーーーーーーーーーー
いつの間にか12時を回っていた
「わっ、もうこんな時間!?」
こんなに夜更かししたのは生まれてはじめてだ
ちらっと後ろの窓を覗いてみると自分の見たことのない夜の深さに驚いた
「こんなに夜更かししたの初めてなんでしょ?可愛いね」
「かっ、からかわないで!」
事実だけど何だか馬鹿にされたみたいで悔しい
そんな私を見て眉を下げた彼は頭をポンポンと撫でてくれた
「じゃあね、おやすみ」
彼はもう一回頭を撫でるとマントを滑らかにひるがえして扉へ向かった
「...............っ......待って!」
「..え........A?」
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ソーダ - 凛さん» うわああああ!!!ごめんなさい!!更新遅すぎた上に内容が.....イマイチで.....(泣)ありがとうございます凛さん!!! (2018年5月22日 18時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
凛 - お話でした!すみません.... (2018年5月21日 19時) (レス) id: 9ba27b7b63 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - おぉぉぉ!やっと更新されましたね!!小さいけど大事件お気に入りなので嬉しいです。これからも、キュンキュンするおナシを作っていってくださいねー応援しています! (2018年5月21日 19時) (レス) id: 9ba27b7b63 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - カノン♪さん» ひえー!!すんません恋始ばっかり更新しているもんで今気付きました(泣)!!ほんとありがとうございます!!『小さいけど大事件』はあともういっこ続きを更新するので少々お待ちを!!! (2018年4月23日 23時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
カノン♪ - なんなんですか!この作品は!神すぎやしませんか!?お気に入りは『独占欲と所有欲』と『小さいけど大事件』です!更新ガンバです!!ソーダさんの作品見ないと一日が終わりません! (2018年4月18日 17時) (レス) id: 68b3d0d765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソーダ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月6日 23時