おいで、恋愛しようか『LIP×LIP短編集』

ロメオ ページ10

勇次郎side



僕がまだ小さい頃



久しく父に呼び出され、何事かと行ってみれば車に乗せられた




結構大きい家柄だったから不出来な僕は「ああ、今日捨てられるのかな」なんて






小さいながらに来世の事まで考えていた







でもそんな考えとは全く違い、連れてこられたのは隣の国の王宮









聞けばそこの王女様と仲良くしろ、と




女の子とも接点がなく、言われるがままに来たのは大きな大きな水色の扉






金色のアンティークの模様が縁取られており、扉に手を当てると中から泣き声が聞こえてくる






数日間このままで閉じ籠り、食事もろくにとっていないそうだ









「ねえ、がししたいの？はやくここをあけてよ」




トントン、軽くノックして蹴破るようにし扉を開ける









___________ああ、広い







悪く言えば少し広すぎではないか？








女の子を見つけるには大変苦労しそうだ











　 ____________と言うのも前言撤回





長いカーテンに髪の長い女の子のフォルムが写し出されていた









隠れるのが下手すぎではないか？







まあいいや









「君がおうじょさまだよね？名前は？」





スッと手を出すと彼女は恐る恐る手を握ってくれた









これが、出会い






それから愛蔵ってやつも来るようになり、Aを取り合いするなてしょっちゅう起こり僕たちは仲が悪くなった









あれから、十年________.....









Aのことを忘れた日なんて一度もない



この気持ちだって、あの頃から....









Aが大好きで愛しくて堪らないんだ

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