おいで、恋愛しようか『LIP×LIP短編集』

アルコールフォール。『勇次郎』 ページ38

勇次郎が天職であるアイドルではなくサラリーマンです



スーツ似合うだろうな......

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大きい音をたてビールジョッキを机に打ち付けて赤い顔を百面相させる僕の彼女であり同僚のA




どうやら今日、合点のいかない発言を上司からされたようで。絶賛爆発中だ









「ぅ.....ハゲ上司め....」



「はぁ.....飲みすぎたんじゃないの？もう帰るよ」









文句を言う彼女を無視して会計を済ませるとフラフラのAを支えながら帰路についた



今にも吐きそうだ。ヤバイな早く帰らせないと









「ゆーじろー.....歩け.........ゃっ！」




最後まで言い終わる前にハイヒールが道に引っ掛かったようでその場に座り込んでしまった




「ちょっ....大丈夫立てる？」








手をさしのべても眠いのか顔をあげようとしない





辺りを見回すとここは自宅がほぼ近くだったので仕方がない。連れてくことにした







「捕まって。.......よっと」



「わっ！」







ハイヒールを履かせると横抱きにして立ち上がった



Aは一瞬きょとん、とするとすぐ僕の首に腕を回して顔を埋めた



「.....ねむ.....」




色々耐えろよ。僕





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ｶﾞﾁｬｯ



ドアを開けると今まで眠そうにしていたAが目を輝かせて僕の腕から降りた




「ゆーじろーの家だああ！！」




「うるさい。取り合えず落ち着いてくれる？」







冷たいなー。と言いながら奥の部屋に入っていった



溜め息をついてAを追う




スーツを脱いでソファに置くとAの入っていった奥の部屋に入る





そのときの衝撃の光景



あんなに顔が熱くなったのは後にも先にも今だけだと思う









Aがベッドに寝転んでいたのだ。しかも、僕を見てふにゃっと笑う





多分男子ならこの気持ちが分かるかもしれない









「誘ってんのか......」





ああもう、知らないから





「んっ.......」




Aに覆い被さって唇を押し付けると普段の彼女よりももっと甘い声が聞こえた









可愛い。理由はそれ





唇を離してAの首筋を柔らかく爪でなぞる






ﾋﾞｸｯとした彼女は僕を見上げた









その綺麗な瞳が、それが合図だった

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