出会い【Meet with you…ARS】 (ページ4)

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和sied

知らない人にはついていかない。

常識、常識。

俺は自分が常識人であると思ってるし。

でも、なんだか、俺のことを助けてくれたヒーローのお兄さんは、俺の中で煌めいて、すごく気に入った。

誘ってくれたから、のってもいいのかなって。

そんな風に思って、大通りの横断歩道からほど近い場所に住んでいるというお兄さんの家にやってきた。

ゆっくりしか歩けない俺の歩調に合わせて、ヨタヨタしてる俺と一緒になって歩いてくれた。

「お邪魔します。」

「いいよ、上がって。」

お兄さんの部屋は、それなりに片付いていて、男の部屋にしては綺麗だと思う。

「ところで名前聞いてなかったね。俺は相葉雅紀。」

「あ、二宮和也です…」

家まで来たのに相手の名前も知らないなんて…

なんて失礼なことを。

やってしまった。

「そっか。和くんか。」

どうやら、俺は和くんに決まったらしい。

「ところで和くんは高校生？今夏休み？」

「えっ？ひどい！俺、大学生だよ。」

「えっ、うそ！俺も。まさかの同い年だ…」

なんだか、さっきから子供扱いするなぁって思っていたら、高校生のガキンチョだと思われていたらしく…

俺ってそんなに幼稚かな…とちょっと落ち込む。

でも、それもそうか。

初めてお給料でご飯を作ろうと浮かれて、自転車にぶつかって立てなくなるんだから。

「じゃ、作ろっか。目玉焼き！」

「うん！」

同い年と分かれば、お兄さんじゃおかしいし、敬語も使わなくていいやって思って、にっこり笑いながら「まーくん！」って言ってやった。

そのくらいいいでしょ？

俺のこと、ガキ扱いで「和くん」って言ったんだから。

仕返しだよ。