出会い【Meet with you…ARS】 (ページ19)

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雅紀sied

「雅紀、電話。」

話に夢中になっていて気がつかなかった俺に教えてくれた潤。

「本当だ！」

慌てて表示を見れば和くんで。

「あっ、和くん。」って言うと、潤も出るように促した。

「はい、もしもし。」

『あっ、まーくん？』

「うん、どうした？」

『あのね…、今病院で…その…えっとぉ…』

なんだか、言い淀んでいて言いにくいことなのだろうか。

「遠慮するなよ。いいよ。言ってみ。」

『足痛くて…動けないし、帰れなくって…だから…』

はっきりと言えない和くんの代わりに行った。

「迎え行こうか？」

『えっ、あの…どうすればいいか、相談したくて…頼れる人も…俺…いないし…でもやっぱり迷惑だったよね…』

迷いがあるようで、和くんは捲し立てると電話を切ろうとした。

「ちょっと待って！」

ふと思いついたことを言う。

「潤、連れて行っていい？メール見た？その友達なんだけど。和くんに会いたいって。」

自分の名前が出ると思っていなかったのか、驚いたような顔をする潤。

口パクで、いい？、と尋ねれば潤は、いいよ、とこれも口パクで返した。

『まーくんがいいなら…』

小さい声でつぶやいた和くん。

こうして、いつの日かと思っていた潤と和くんの対面は今日行われることになった。

「じゃ、早速行くか。」

潤はもう立ち上がっていて、俺も後に続いた。

「なんか、話し方が兄貴みたいだったなお前。」

潤に言われたけど、確かにそうかも…と思った。

なんか、和くんってかわいいし弟みたいかも…